毎日の洗濯の中でなくてはならない存在が洗濯洗剤です。普段、何気なく使用している洗濯洗剤は合成洗剤とエコ洗剤に分かれていますが、環境や人体に及ぼす影響、さらにエコ洗剤にはどんなメリットがあるのでしょうか?
今回は洗濯洗剤と環境問題、さらにエコ洗剤をはじめとして、これから1人1人がエコ生活にどのように取り組むべきか考えてみましょう。
目次
洗濯洗剤による環境や人体への影響
かつての日本は高度経済成長などの影響により、環境汚染が進み大きな社会問題になりました。その結果を踏まえ現在の日本は汚水処理能力においては、世界に誇るほど厳しい基準を設けて環境問題に取り組んでいます。
しかし家庭生活での洗濯作業では日常的に合成洗剤が多く使われています。この合成洗剤は人工的に作られた成分が多いため、生活排水が水中で分解出来ずに川や海に流れ込む問題があります。では洗濯用洗剤が環境や人体に及ぼす影響とは一体なんでしょうか?そのポイントとは
- 合成洗剤の成分
- 下水道工事と浄化槽
- 洗剤のアレルギー問題
合成洗剤の成分
一般家庭で非常に多く使われている合成洗剤ですが、合成洗剤の成分には非常に多くの添加物が使用されています。それは「界面活性剤」の存在です。界面活性剤とは
界面活性剤とは水分と油分は本来混ざらないものを混ぜ合わせ、それを分解させないために必要な成分です。一般的には界面活性剤の「脂肪酸カリウム・ナトリウム」が純石けんとよばれるようになり、それ以外のものを合成界面活性剤(合成洗剤)と呼ばれています。
引用:なちゅここ生活HP
つまり合成洗剤は自然界にはない人工添加物を使用した「合成界面活性剤」を使用しています。普段、生活排水は下水処理場で細菌や微生物を使って処理を行っています。しかし合成洗剤は、その細菌や微生物の活動を弱らせてしまい、そのため水をキレイにする処理が遅くなり、最近の異常気象などで大雨など降って下水処理をしきれなくなると、汚水が川や海に流れ込む可能性もあるのです。
下水道工事と浄化槽
日本では少しずつ普及してきた下水道工事ですが、まだ地方に行くと下水道工事が進んでいない地域も多くあります。その場合、各家庭、個人で合併浄化槽を設置しますが、これは数十万円以上もの費用と管理費の個人負担が生じるます。
古くからの民家や下水道工事がされていない地域では、生活排水がそのまま側溝に流れ込み、やがて川から海へ流れていく現状があります。
洗剤アレルギー
合成洗濯洗剤は安価で洗浄力も強いため、多くの家庭で使用されていますが、自然界にはない合成界面活性剤を主に使用しています。その中でも洗浄力を高くする成分は肌への刺激が強く、手荒れやかぶれ、さらにひどくなると肝機能障害を起こすこともあります。特に肌の弱い方や乳児などは注意が必要です。
ではこれらの問題を踏まえ、洗濯洗剤を合成洗剤からエコ洗剤に変えるのはどんなメリットがあるでしょうか?
洗濯洗剤をナチュラルなエコ洗剤に変えるメリット
エコ洗剤は合成洗剤と比較した場合、大きなメリットがあります。それは
- 生分解性が高い
- 原材料成分
- アレルギーの緩和
生分解性が高い
生分解性性とは洗剤成分の物質が微生物や細菌などに分解され、二酸化炭素と水に戻すことです。エコ洗剤は生分解性が高く、分解されやすい性質の洗濯洗剤なので、川や海をキレイに保つことができ、環境にとって非常に優しい洗剤となっています。
原材料成分
合成洗剤とエコ洗剤の原材料成分を比較すると、純石けんの界面活性の成分は脂肪酸ナトリウム・カリウムとシンプルな成分です。しかし時代と共に洗剤の洗浄力を高めたり、さらには香りや機能性などの便利さ、コストの安さなどを洗濯洗剤に求められるようになり、次第に人工的な添加物を増やしていく傾向が強くなり、成分も複雑化されてきました。
エコ洗剤の原材料は非常にシンプルです。洗濯洗剤を購入するときは原材料表示を確認することをおすすめします。
アレルギーの緩和
合成洗剤は洗浄力が強く、先ほども触れましたが洗浄力を高める成分は皮膚への刺激が強い成分が多く含まれています。人間は皮膚呼吸しているため、毒性の強い化学成分は体内へ入り込み、留まる傾向がありアレルギーの原因になる可能性があります。
一方エコ洗剤は肌への負担になる成分を抑え、肌が弱い赤ちゃんや高齢者、アレルギーを持つ方でも安心できるような成分で作れれている洗濯洗剤です。
環境や人体への影響が少ないエコ洗剤ですが、どのようなものを選べばいいでしょう?
次世代エコ洗濯洗剤!「海へ」とは?
エコ洗剤と一口に言っても、どんなものを選んだらいいか迷いますよね。そこで次世代エコ洗濯洗剤「海へ」を紹介します。
引用:がんこ本舗HP
「海へ」のエコ洗剤は今までのエコ洗剤のデメリットを解決し、環境や人体にもやさしい洗剤になっています。このエコ洗剤の大きなポイントは
- すすぎが0~1回ですむ
- 肌の弱い人にも対応
- 洗浄成分が100%植物由来
- 油汚れに強い洗浄力
- 環境にやさしい生分解性が高い
- 柔軟剤や手洗い用洗剤が不要
特にエコ洗剤は従来、洗浄成分を抑えているため皮脂や油の汚れが落ちにくいと言われていましたが、こちらの商品は少量の洗剤でもしっかり油汚れを落とすことができるので、すすぐための水量も少なくすすぎ回数も0~1回で大丈夫です。
また、柔軟剤や中性洗剤も別途購入する必要もなく、この1本だけで洗濯が完結できるので、効率的に家事をすることができ、経済的でもあります。環境にもやさしく機能性の高いエコ洗剤は家事をする主婦の大きな味方です。
さらにおすすめのエコ洗剤を紹介します。
おすすめのエコ洗剤3選
自然由来の原料を使用したおすすめエコ洗剤3選を紹介します。
カナッシュ 発酵洗濯洗剤
引用:楽天市場HP
主成分が竹炭灰で洗浄成分と発酵することにより、長い年月でも使える生きている洗剤です。また柔軟剤の必要もなく、洗濯槽のカビを防いだり、排水溝もすっきりします。
さらに、洗濯をする以外にも台所のシンク・排水溝の汚れ、床拭き、お風呂掃除、トイレ掃除と用途も広く万能なエコ洗剤です。
竹炭の洗い水
引用:楽天市場HP
こちらの商品も竹炭が主成分で界面活性剤を使用していません。またカリウムを多く含む洗剤で、水中で電子イオンを発生し、このイオンが衣類に汚れを引き離す力を持っているので洗浄力に優れています。
柔軟剤不使用でも衣類がふっくらし、また食器洗いや食洗機にも使えます。さらにおしゃれ着洗いにも適しているのでこれ1本で洗濯や食器洗いもできるところがいいですね。
THE 洗濯洗剤
引用:楽天市場HP
こちらは生分解性が高い洗濯洗剤で通常エコ洗剤と呼ばれている洗剤でも、生分解されるまでに1か月かかりますが、「THE 洗濯洗剤」は7日で分解せれるので環境をとても考えたエコ洗剤です。
さらに洗剤使用量も水30Lに対し5mlと僅かな量で洗濯できるので、とても経済的でもあります。おしゃれ着洗いや希釈して使用すれば家じゅうのお掃除洗剤としても使用できるのでとても便利です。
洗剤はもういらない?洗濯ボールとは?
環境を考えた場合、洗濯洗剤の代わりに「洗濯ボール」を使うのも1つの手段です。洗濯ボールとは洗濯機の中に洗濯ボールを入れることで衣類同士の絡まりを防ぎ、洗濯層内の水の循環をよくすることで衣類の汚れやシワ防止の効果が期待できるものです。
従って洗濯ボールを使用することによって汚れの程度によっては、洗剤を使わずに済む可能性があります。では洗濯ボールについて詳しく紹介します。
洗濯ボールの種類と特徴
洗濯ボールには主に3種類の材質があります。
- ゴム製
- セラミック・マグネシウム製
- スポンジ製
ゴム製
引用:AmazonHP
硬め素材のゴム製は、洗濯槽内で洗濯物同士の絡まりを防ぐ効果が高いので、主に縦型洗濯機を使用している方におすすめです。また、絡まりにくいことでシワ防止効果もあります。
セラミック・マグネシウム製
引用:AmazonHP
こちらは、ボールの中にセラミックやマグネシウムが入っているタイプで半永久的な商品もあります。この洗濯ボールを入れることで、水道水が洗浄力を高くする水に変える性質があるので、汚れを落とす効果に優れています。
さらに軽い汚れなら洗剤を使用せずに洗濯できるので節約にもなります。またアレルギーの方でも肌への負担もなく、赤ちゃんがいる家庭でも安心して洗濯できると好評です。
スポンジ製
引用:AmazonHP
スポンジ製は糸くずやほこりを取り除きやすくしてくれるので、水面に浮いたごみなどを取りやすくして、洗濯物のゴミを付着するのも防いでくれます。またペットを飼っている家庭は細かい毛などが衣服につきやすいですが、細かいスポンジ製の洗濯ボールならペットの毛をスポンジに付着させて、衣類のペット毛の付着防止効果が期待できます。
さらに詳しい特徴や使い方はこちらをどうぞ
洗濯ボールは100円ショップでも購入できます。気になる方は100円ショップで購入して確かめてみてから使用すると使い心地が分かって参考になります。
洗濯ボールの注意点
使用上の注意を確認しよう
洗濯ボールは決められた数だけ使用しましょう。効果を高めるためにそれ以上の数を入れると洗濯機の故障の原因にもなるので注意が必要です。さらに乾燥機能付きの洗濯機の場合、洗濯ボールの素材によっては熱に弱いものがあるので使用できない場合もあります。しっかり使用方法を確認してから正しい使い方をしましょう。
デリケートな衣類はネットを使用
ゴム製の洗濯ボールは硬めの素材なので、衣類の絡みを防ぐ効果は高いですが、洗濯物の生地を刺激して痛めてしまうこともあります。素材がデリケートな下着類などは洗濯ネットを使用して衣類を守りましょう。
今からできるエコの取組み
私達が毎日生活する中でも心がけ次第でエコに取り組めることは多くあります。その一例として
- 洗濯洗剤の使用量を守る
- 油をそのまま捨てない
- 洗濯洗剤以外にもなるべく自然素材のものを選ぶ
洗濯洗剤の使用量についてさらに詳しい記事はこちらです。規定量以上の洗剤は環境的にも経済的にもデメリットになるので気を付けましょう。
また家庭での食用油はできるだけ使い切るか、しっかり油処理をしてから洗うよう心がけ、下水処理負担を軽減しましょう。さらに洗濯洗剤以外にもシャンプーや食器用洗剤、掃除用洗剤などもエコを意識して選べば環境や人体への影響も少なくすむでしょう。
まとめ
毎日の家事の中で洗濯に使用する洗濯洗剤や生活排水は環境や人体に大きな影響を及ぼしています。その問題の対策として
- 洗濯洗剤が環境や人体にどのような影響があるか把握しよう
- 洗濯洗剤をナチュラルなエコ洗剤に変えるメリットを知ろう
- おすすめなエコ洗剤を使ってみよう
- 洗剤を使用しない洗濯ボールを使ってみよう
- エコを意識して簡単に取り組めることを実践しよう
地球温暖化現象や異常気象などの原因は環境による問題が大きいと言われていますが、元々は人間が作り出した人工的なものから由来していると言っても過言ではありません。良い環境を取り戻すには長い歳月が必要ですが、我々一人一人がエコを意識した生活を心がけることにより、再生年月が短くなる可能性も高くなります。
エコを意識した心がけを大切にして私達の住む地球をみんなで守りましょう。
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