普段、何気なく使用している洗濯洗剤ですが、アレルギーを引き起こすかもしれないって知っていますか?常に体が痒かったり、どこかしらに湿疹がある、なんて方はもしかしたら洗剤にかぶれてしまっているのかもしれませんよ。
洗剤がアレルギーを引き起こすなんて、なかなか信じがたいですが、今悩んでいる方や、今はなんともなくても将来発症する方がいらっしゃるかもしれません。ですから、洗剤によるアレルギーの症状や対策をまとめました。
目次
洗濯洗剤には何が入っている?
洗剤でかぶれるといっても、ピンときていない方が多いと思います。では、まずは洗剤の成分から見ていきましょう。
全てに界面活性剤と安定化剤が入っていることが分かります。洗剤の効果によってpH調整剤や酵素、増粘剤が入っています。馴染みのない単語やどういう目的で入っているのかわからないものも多いですね。
界面活性剤
界面活性剤は、界面(物質の境の面)に作用して、性質を変化させる物質の総称です。構造としては、1つの分子の中に、水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」の2つの部分を持っています。この構造が、本来、水と油のように混じり合わないものを、混ぜ合わせるのに役に立ち、汚れを落とす洗浄の働きをするのです。代表的なものに石鹸(脂肪酸塩)があります。また、洗剤の他にも、医薬品、化粧品、食品などの成分としても広く使われています。
界面活性剤分子のモデル
引用:花王株式会社 製品Q&A
汚れを落とすのに必要な界面活性剤ですが、肌トラブルの原因にもなってしまうんです。主に界面活性剤に含まれる浄化作用が肌荒れの元だと言われています。浄化作用が汚れに作用するのは問題ないのですが、衣類に残っていて肌に触れてしまうと、浄化作用は肌にも作用してしまい皮膚の油を取ってしまいます。
皮膚の油は、皮膚の水分を保つのに必要なものなので、皮膚を守るバリアーみたいなものです。それを取ってしまう界面活性剤が肌トラブルの原因となってしまうのです。
合成界面活性剤
市販のスーパーで安売りなどで出されている洗濯洗剤に含まれる界面活性剤の成分は合成界面活性剤です。
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
20%以上の濃度だと、皮膚に刺激を与えるとされています。ただし、洗剤として使うのはこの数百分の1程度。無害ではないというだけで、危険性は無いようです。 - ポリオキシエチレンアルキルエーテル
化粧品のクリームやローションの乳化剤などのほか、農薬の補助剤、医薬品の乳化剤や分散剤にも用いられていますが、肌荒れを起こす可能性があります。
合成界面活性剤は安全性は保証されていますが、肌に優しいかと聞かれると疑問が残るものということが分かります。絶対に安全と言い切れないのが心苦しいですが、化学の力を利用しているので完全に自然由来の物を作るのは難しいようです。
天然界面活性剤
ここでお勧めするのが天然界面活性剤です。自然界に存在する界面活性剤を使った洗剤です。自然界に存在する植物由来で肌にも環境にも優しく使用できます。赤ちゃんの肌にも安心して使えて流せるのがポイント高いです。天然界面活性剤は、植物由来、合成界面活性剤は石油由来が主です。
オーガニック洗剤とも言われるものは、薬局には売っていませんが、優しさは折り紙つきです。肌に優しく作ることに専念した洗剤なのでアトピーの方や赤ちゃんにお勧めです!
写真は薬局に売っていた肌に優しい洗剤です。
arauと言う洗剤です。色々入ってなくてシンプルですね。
ヤシノミと言う洗剤です。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムと比べて、優しくて洗浄成分として使うのに良いとされています。こちらも普段使いの洗剤と比べるとあまり色々入っていないですね。
漂白剤
漂白剤は全ての洗剤に入っている訳ではありません。働きとしては、汚れや色素を化学的に分解します。過炭酸ナトリウム過酸化水素が主な成分です。
漂白剤だけを取り扱う時は、みなさん手袋を使うなど注意すると思いますが、洗剤にはノーチェックですよね。しかし、洗剤にも漂白剤の成分は含まれているので、肌荒れの原因になってしまうことがあります。
蛍光漂白剤
蛍光漂白剤は白いものをより白く見せる効果があります。色が付いている服に使うと色落ちしてしまうことがあります。CMや広告等「驚きの白さ」と言うフレーズは見たり聞いたりしたことがあると思いますが、この成分のおかげなんです。
ただ、この蛍光漂白剤は、皮膚の炎症を起こしたり刺激を与えたりするものもあるので注意が必要です。
洗濯洗剤で起こるかぶれの症状
洗剤の肌トラブルとして一番考えられるのは、かぶれです。では具体的な症状をみてみましょう。
- 赤み
- かゆみ
- 湿疹
私も、何となく身体中が痒いなとか、一瞬全身が痒かったなんて経験があるので、もしかしたら洗剤のせいなのかもしれないですね。
かぶれはあまり気に留めない方も多いと思いますが、かぶれている状態が続くようならきちんとお医者さんに診てもらいましょう。その前にできることとして、オーガニック洗剤に変えてみるのは良いと思います。
洗濯洗剤がアトピーの原因かも
アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリアー機能が低いことと、外のある微生物や物質が皮膚から侵入してアレルギー反応を起こしやすい体質が合わさって起こる病気です。特に、外からの刺激に対する抵抗力の低い子供がなりやすいです。その原因が洗濯洗剤の場合があります。
アトピー性皮膚炎で、アレルギー反応を起こす要因になってしまうのが、洗剤です。皮膚が弱い人には洗浄力の刺激が強すぎるので、ますます症状が悪化したり、治りづらくなったりするのです。
ただし、全てのアトピー性皮膚炎の原因が洗剤とは断言できません。アレルゲンの特定は、お医者さんに血液検査やテストをしてもらってわかるものなので自己判断はやめましょう。
もし、洗剤がアレルゲンだった場合は、お医者さんと相談して洗剤を選んでくださいね。少し値段は高くなりますが、ネットにはオーガニック洗剤が何種類も売られていますから、取り入れてみてください。
敏感肌の人が洗濯洗剤を使うと?
大人になると敏感肌って顔をイメージする方が多いと思いますが(女性は特に)、体も敏感肌の方は案外いっらしゃいます。また、赤ちゃんや子供は、全身敏感肌です。ツルツルで柔らかい肌はとても羨ましいですが、傷つきやすいのです。
洗剤を変えたりして、痒い気がするなとか、子供が肌を掻きむしっていたら洗剤が合わないのかもしれません。今回調べてみて、洗剤ごとに成分がだいぶ違うことに気づきました。ですから、違うメーカーの洗剤を試してみるのは、とても有効な手段だと思います。
体が肌荒れしがちなのは洗濯洗剤のせい?
先ほど、洗剤が皮膚のバリアーを奪ってしまうと言いましたが、そのバリアーは皮膚の油です。この油は、皮膚の表面をおおうことで皮膚の内側の水分が蒸発しないようにしていたり、外側からの紫外線や摩擦から皮膚を守ったりする働きをしています。
このバリアーを奪うことで、水分がどんどん蒸発し、乾燥を引き起こします。
洗濯洗剤で炎症を起こさないためには
体に異変を感じたりしている方や、洗濯洗剤でかぶれてるかもって思った方は、次の対策を試してみてください。
洗剤をよく落とす
まず、気にしていただきたいのが洗剤が衣類に残っていないかということです。洗剤のすすぎ残りがあると敏感肌の方は湿疹が出来やすくなってしまいます。洗剤が残らないためには
- 洗濯機に洗濯物を詰めすぎない
洗濯機を回すときは、8分目くらいに抑えて詰め込み過ぎないようにします。ぎゅうぎゅうに詰めすぎると汚れが落ち難くなりますし、洗剤も全体に行き渡りずらくなり、固まってしまった洗剤がすすぎきれず残ってしまいます。 - 洗剤を多く入れない
洗浄力UPを狙って洗剤を多く入れると、返って洗剤が衣類に残り、肌に負担をかけてしまいます。 - すすぎ回数を増やす、水量を多くする
水道代を節約しようとして使う水を減らすと洗剤が落ちきらないことがありますので注意してください。すすぎ1回でOKと謳われている洗剤でも、すすぎ残しがある可能性もありますので注意してください。
肌に優しい洗剤を使う
先程も触れた通り、一般的に売られている洗剤には、界面活性剤が含まれています。天然界面活性剤やオーガニック洗剤を使うことで、肌への刺激を抑えることができます。
「無添加」に注意!
肌や環境に優しいことを謳い文句に売られている洗剤を見かけますが、注意が必要なものもあるんです。
無添加とは書かれていても「何が無添加」なのかが重要です。合成界面活性剤は使用していないことを前面に出して、蛍光剤や漂白剤は入っていても無添加と記載できるのです。ですから、何が無添加なのかを確認しましょう!
まとめ
- 合成界面活性剤は肌トラブルを起こしやすいので要注意。
- 洗剤で肌荒れやアトピーを引き起こす可能性がある。
- 天然界面活性剤を使用している洗剤を使うと肌トラブルが改善する。
- 洗剤のすすぎ残しは肌トラブルを引き起こす。
- 無添加を謳っていても、何が無添加なのかを確認する。
いかがでしたか?普段使っている洗剤は合成界面活性剤が使われていたのですね。冬場とか肌が痒いなと思っていた日があるので、肌のためを考えて慎重に洗剤を選びたいですね!
子供の肌はデリケートなので、よくみていてあげるのも大切ですね。体が痒いと訴えている時や、洗剤を変えた時、季節の変わり目も注意してみましょう。