普段お料理に欠かせないお酢。フライパンを洗う時にお酢を垂らしておいてから洗ったり、ドレッシングを作ってサラダにかけたお皿を洗う時に洗剤いらずで油汚れが落ちたりとキッチンの洗い物をするときに役に立っていたこのお酢。
実は古来からあったこのお酢には殺菌効果だけでなく除菌や抗菌効果もあり、お掃除やお洗濯にも使えるんです。雑菌の繁殖の予防にもなるお酢は水回りのお掃除にはとても役立ってくれています。
今回は水垢が一番つきやすいお風呂でどのように使うかそしてどの程度の効果があったかご紹介します。
目次
お酢は最古の発酵調味料?
現代でお酢は料理の調味料として、或いは健康の為とお酢を飲んだりと私たちの生活に欠かせないお酢。実は人類史上最古の発酵調味料だったんです!
今から遡る事7000年以上前の紀元前5000年頃にはもうすでに作られていたそうです。それが日本に伝わってきたのは4~5世紀頃に中国から酒を造る技術とともに米酢の醸造技術が伝えられ、現在の大阪府南部辺りで作られるようになったのが始まりであると言われています。
酢の伝統製法は日本酒から1~3カ月間酢酸菌(さくさんきん)による発酵を行って、そこから数カ月~1年以上熟成させ時間と手間をかけ作られています。現在では穀物をブレンドしたアルコール液を空気を入れながら撹拌することで短期間で仕上げる速醸法が開発され多く出回るようになりました。
この伝統的な調味料お酢の使い方を昔の人の利用法も少し交えてご紹介していきます。
昔からお酢は掃除にも使われていた?
昔の人のお酢の利用法。薬にもなっていた?
昔の人々はお酢をどのように使っていたかここで少し紹介します。
- しゃっくりが止まらないときは盃(さかずき)1杯のお酢を飲むと止まる
- 気絶したときは鼻にお酢を浸したハンカチを当ててあげると大抵気付く
- お酒のつまみに酢のものを食べると悪酔いを防ぐことができる
- 色物を選択する際に少量の酢を入れて洗うと色落ちを防ぐことができる
- 畳や革製品などの汚れが落ちにくい時、酢を染み込ませた布で拭きとるときれいに落ちる
その他にもお酢には強い抗菌効果があり上記の1,2にあるような対処法以外にも古代では病原菌に侵されている患者にお酢を処方したという言い伝えがある程で、その効果を利用し掃除にも使われていたのではないかと推測されます。
お酢を使って掃除する使い方
前述した通りお酢は掃除や洗濯などにも使われていました。そのお酢には「酢酸」と呼ばれる酸性の性質を持つ物質を含んでいます。この酢酸は雑菌が増えるのを抑える働きがあり、雑菌が原因のドロドロした汚れに効果を発揮します。またアルカリ性の性質を持つ水垢などの汚れを中和し落ちやすくしてくれます。
お酢を掃除に使うときはお酢スプレーを作ります100均などの市販のスプレーボトルにお酢と水を1:1の割合で入れ降って混ぜ合わせるだけです。あとは汚れに吹き付けて使います。
因みに昨今のお酢はいろいろな種類がありますが穀物酢やホワイトビネガー、米酢などの醸造酢を使用してください。私は米酢を使いました。
ポン酢やすし酢、飲むお酢など加糖タイプや調味料が含まれるものは糖分などでベタつく原因になるので掃除には使わないように注意してください。
掃除は水回り全般に使えます。水回りは水垢が出やすく雑菌も繁殖しやすい場所です。通常の汚れなら酢水スプレーをしてスポンジでこすり洗いで落ちます。頑固な水垢でもキッチンペーパーなどにお酢を浸して貼り付け数分放置すると中和され柔らかくなります。あとは拭き取れば良いでしょう。
風呂はお風呂上りにお酢スプレーを壁や床に振りかけておくとカビの発生を予防出来るので普段からやっておくと良いでしょう。
トイレは尿などの汚れにお酢スプレーをしてこすり洗いすればきれいに落ちます。あと普段からお酢スプレーをトイレに常備しておいて用を足した後に便器の中に吹き付けると汚れやアンモニア臭がつくのを予防できます。
お酢の匂いが気になる人はドラッグストアなどでも購入できるハッカ油をお酢スプレーの中に垂らすと清涼感のある香りがお酢特有の酸っぱいにおいを打ち消してくれます。
引用:Amazon
お酢を使った掃除の注意点
お酢を掃除に使うときに一番気を付けることが塩素系漂白剤との併用です。お酢はクエン酸同様酸性の性質を持っています。ですのでお酢と混ぜると有害な塩素ガスが発生します。混ぜるな危険と表示されている塩素系の洗剤とは併用しないよう注意が必要です!
その他、大理石や鉄素材の物にお酢をかけると素材を傷めてしまう恐れがあるので注意してください。
お酢を使ったお風呂の掃除法
さて、古来から重宝されてきたお酢をお風呂掃除ではどのように使うのかご紹介します。
お風呂の水垢や石鹸カスはアルカリ性の性質を持っていますね。酸性のお酢はアルカリ性の汚れに強い特性を持っています。そこでお酢を汚れに吹きかけると中和され水に溶ける物質に変化し軽くこするだけで汚れが落ちていきます。
先程ご紹介した酢水スプレーを浴室の壁や床、排水溝や蛇口、シャンプーなどの容器に吹きかけてこすると簡単に落ちます。それとまだ根を張っていないカビ汚れならこの酢水スプレーで落ちますよ。
お酢はトイレでの消臭で使ったようにアンモニア臭に効果がありますが、それだけでなく人の汗や皮脂の匂いも緩和することが出来ます。これはお酢に含まれる酢酸によるもので、今ある雑菌を殺すだけでなく数が増えることを予防する抗菌効果があります。浴室の雑菌の繁殖を防ぎ入浴剤代わりにも使うことで汗や皮脂からくる体臭も一緒に殺菌してくれるという事です。
お酢で消臭、殺菌・抗菌が出来てしまうんですから毎日のお掃除には酢水スプレー1本で簡単にできますね。
重曹を使えば効果大!!カビも落とせる!?
毎日のお掃除には酢水スプレー1本で足りてしまいますが、こびりついでしまったカビ汚れまでは落とせません。そんな時は重曹を使えば落ちます。
酸性のお酢には殺菌や抗菌効果があることを先程お話ししました。アルカリ性の重曹は汚れを中和し分解する力があります。研磨する時壁などの表面を傷つける前に重曹のほうが削れ小さくなり、汚れだけを巻き込んで溶けるので軽く表面をこするだけで汚れを落とせます。
この重曹にお酢を混ぜると発泡します。発泡することで汚れを浮かせることが出来、手の届きにくい場所の汚れを浮かせ落とすことが出来ます。
カビはどのように落とすか?
カビを落とす手順はいたって簡単です。
- 酢水スプレーをカビが繁殖しているところに直接かけ、その上に重曹をかける。
(発泡してくる様子が見られます) - この状態で1時間ほど放置。
(必要であればお湯で湿らせたペーパータオルなどを敷きその上にラップで密閉します) - その後スポンジなどでこすり取り水で洗い流す。
これだけで大体のカビは落とすことが出来ます。では、ゴムパッキンやシャワーのホースなど根の張ってしまったカビ汚れにはどのくらい効果があるのかやってみたのでその手順もあわせて紹介します。
しつこいカビ汚れどの程度落ちる?
ゴムパッキンやシャワーのホースは根が張りやすくなかなか落ちないですよね。シャワーのホースのカビ汚れを実験してみたので紹介します。
- 酢水スプレーをホース全体に吹き付ける。
- ペーパータオルに重曹をふりかけその上にお湯を少しかけペーパを湿らす。
(重曹は水よりお湯のほうが溶けやすい為) - ペーパータオルをホース全体に巻きその上にラップを巻いて密閉する。
- そのまま数時間放置。
- ラップとペーパータオルを取りスポンジかブラシでこすり落とし最後に水で洗って終了。
あまりにひどいカビだったのでこの時は5時間ぐらい放置しました。重曹とお酢だけでは完全に落としきることは出来ませんでしたが、実験前よりすっかりきれいに落ちていた部分はあるので重曹とお酢でもおおよそのカビが落とせることが分かりました。
完全に落としきるにはやはり過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)や話題のオキシクリーンを使って落とす方法が良いかもしれません。
引用:楽天市場
引用:楽天市場
まとめ
- お酢は紀元前5000年頃にはもう作られていた人類史上最古の発酵調味料!
- 昔は薬にもなっていた酢酸の殺菌抗菌効果を利用し水回りを掃除し除菌と予防も出来る
- 毎日のお掃除は酢水スプレーで落とし除菌と殺菌抗菌も出来る
- カビ汚れは重曹をプラスして泡の力で落とす
今から7000年以上前には作られていたとされるお酢、現代のような洗剤がない時代には良くお掃除に使われていたのではないかと推測されます。環境意識とナチュラル志向が高まってきている今昔の人の知恵を学び取り現代に生かしてみてはいかがでしょうか。