ニットって柔らかくて着心地が良いでんすが、たった一度の洗濯で裾や袖がヨレてカッコ悪くなってしまったりするんですよね。素材によっては縮んでしまったり。
でも、その洗濯方法は間違っているかもしれません。ニットの正しい洗濯方法や長持ちさせるお手入れ方法を知って、洗濯してもかたちの整った素敵なニットでおでかけしましょう!
ニットとは
ニットというと、寒い冬に暖かくしてくれる毛糸のセーターやニット帽を思い浮かべるでしょうか。実はニットとは糸や毛糸で編んである生地のことで、縦糸と横糸で織った生地より伸縮性があります。実はいつも履いている靴下や、ジャージなどもニット生地なんですよ。
このようにニットは素材も様々で、ウールやコットンのような天然素材や、アクリルのような化学繊維のものもあり、素材によってお手入れ方法も異なります。素材別の特徴を見ていきましょう。
ウール
羊の毛のことで、保温性に優れ暖かいので冬に活躍します。柔らかく手触りが良いのですが、着用時にはチクチクと感じることも。動物繊維なので虫食いがあったり、洗うと縮むこともあり、デリケートな素材なのでお手入れには注意が必要です。
コットン
綿花から作られます。肌触りが良く、ウールのようにチクチクしません。保温性は無いですが、吸水性と通気性が良いため、サマーニットなど冬以外にも活躍します。コットンは水に強く丈夫な素材なので、洗濯がしやすく普段着にぴったりです。
カシミヤ
カシミヤ山羊の毛で、ウールよりも繊維が細く、軽くて保温性や保湿性も高いです。とても柔らかい肌触りで上品な光沢のある高級品ですが、デリケートな素材なので丁寧なお手入れが必要です。
アクリル
ウールのように柔らかい風合いで保温性もありますがウールより安価で、最近では冬のニット製品の多くがアクリル製です。また、化学繊維なので虫食いの心配が無く、耐久性があり縮まないので洗濯機で洗えるのも魅力です。
ポリエステル、ナイロン
これらは、単体よりは混紡素材として染色しやすくしたり、耐久性を上げるために使われることが多いです。また、ポリエステルはコットンに似た化学繊維で、肌触りを良くするためにも混紡されます。
こちらはニット帽の洗濯表示ですが、おそらく耐久性を上げるため毛(ウール)にナイロンが混紡されています。
洗濯をする前に
まずは洗濯表示を確認しよう
引用:経済産業省
洗濯をする前に、必ずお手持ちのニットについているタグの洗濯表示を確認しましょう。そもそも洗えるのか洗えないのか、手洗いをしたほうがいいのか。素材にあったお手入れ方法をしないと、生地を痛めてしまいます。
ニットは柔らかく、不用意に洗濯をしてしまうと縮んだり、袖口がヨレヨレになってしまったりしてしまいます。そして毛玉もできやすい素材です。きちんとお手入れをして、長く着られるようにどうしたらよいでしょうか。
洗剤はおしゃれ着用洗剤をつかう
おしゃれ着用洗剤は普段の洗濯洗剤に比べて洗浄力は弱くなりますが、縮みや色褪せを防ぎながら優しく洗ってくれます。
引用:花王公式サイト
エマールは、洗わないで着続けるよりも、洗うことでよれや縮みを整える効果があります。ニットは痛むのが気になって洗濯の回数を減らそうとしてしまいがちですが、洗うことでニットのかたちを整えてくれるので、美しく清潔に着られますね。また、毛玉の発生も防いでくれます!
私はエマールの黄色の方を長年使っていますが、香りが爽やかでふんわり仕上がるので気に入っています。
引用:ecover公式サイト
こちらは、植物由来の洗浄成分を使用しているので環境にも優しく、英国アレルギー協会に認定されている肌に優しい洗剤です。
無添加にこだわり、香料も使用していません。洗剤の香りが苦手な方や、敏感肌の方にオススメです。ウールマーク認定製品なので、ウールでも安心して洗うことができますよ。ウールマークについてはこちら
柔軟剤はふわふわにするだけじゃない!
おしゃれ着用洗剤と合わせて柔軟剤を使えば、好きな香りをつけたり、よりふんわりと仕上げることができます。
また、実は柔軟剤を使うことで静電気防止にもなるんです!乾燥する冬場にニットを着ていると、静電気で悩まされることは多いですよね。特に素材の性質上、ウールとアクリルの混紡ニットは静電気が発生しやすいのです。柔軟剤を使って防止しましょう。
引用:レノア公式サイト
香りにこだわり、レノア史上最もプレミアムでラグジュアリーな香りが長続きします。口コミでも、「柑橘やジャスミンがミックスされた香りが、強すぎず弱すぎず癒される」と人気です。
引用:サラヤ公式サイト
こちらは柔軟剤には珍しい、無香料です。着色料も無添加で、肌への優しさにこだわっています。敏感肌の方や、柔軟剤の香りが苦手な方にオススメです。
汚れが気になる場合は予洗いを
ニットは、デリケートな素材だと着る度に毎回洗うというよりは数回着てから洗うことが多いかと思います。そうするとやはり、たまった汚れが気になりますよね。
汚れに合った予洗いをして、しっかり汚れを落としてから洗濯をしましょう。気になる汚れの種類もいろいろあります。
- 全体の汚れが気になるとき
- 部分汚れが気になるとき
- 食べこぼしやシミがあるとき
・全体的な汚れが気になるとき
洗面器などにぬるま湯を張り、規定量のおしゃれ着用洗剤を溶かして、5分〜10分ほどつけおきをしましょう。
洗剤を溶かしたぬるま湯につけて放置するだけなので、とても簡単です。つけおき洗いは最も優しい洗い方ですが、しっかり汚れを浮かび上がらせてくれます。
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・部分汚れが気になるとき
肌に触れやすい襟元や、袖元などはどうしても汚れやすいです。おしゃれ着用洗剤をそのまま塗り込んでから洗いましょう。その際擦ったり、もみ洗いをするのはNG。洗剤のボトルの蓋の上部分でトントンとなじませる程度にしましょう。
・食べこぼしやシミがあるとき
食べこぼしなど汚れが付着してしまった場合は、酸素系漂白剤を使って汚れを落としましょう。その際、色柄物にも使える洗剤を使うこと、塩素系漂白剤は使わないことを気をつけましょう。
引用:ヨドバシカメラ通販サイト
こちらは、使いやすい液体タイプの酸素系漂白剤で、塩素系と違い人体に有害なガスを発生しません。また、脱色作用もないので色、柄物にも使えます。赤ちゃんのおむつや肌着用の洗剤なので、肌にも安心ですね。
気になる汚れを落としたら、洗っていきましょう。
コットンや化繊は洗濯機で
コットンや化学繊維のものは、多くのものが洗濯機で洗えます。コットンのものは汗をかく季節に着ることも多いですし、着るたびに洗いたいですよね。洗濯機で洗えるなら、楽チンです。
洗濯機で洗う時のポイントは、
- ボタンなどは留めてたたんでから、ネットに入れる
- おうちクリーニングなどの一番優しいコースで洗う
です。詳しく説明していきます。
ボタンなどは留めてたたんでから、ネットに入れる
たたみ方はニットを二つ折りにしたくらいがいいサイズです。そうすることでしっかりと繊維まで洗剤液が染みわたり、汚れがよく落ちます。たたむ際、汚れが外側になるようにします。
洗濯ネットは、たたんだニットが崩れないぴったりくらいのサイズが良いでしょう。表面が擦れると毛玉の原因になります。ニットを洗う際のたたみ方を説明している動画をご紹介します。丁寧にたたんで洗うことで、愛着もわきますね。洗濯ネットの正しい使い方の記事はこちら
「おうちクリーニング」などの一番優しいコースで洗う
洗濯機で洗えるといっても、ニットは伸縮性のあるデリケートな生地です。洗濯機の「おうちクリーニング」や、「ドライコース」などの一番優しいコースで洗いましょう。
ウールやカシミヤは手洗いできる?
手洗いマークが付いていればウールやカシミヤでも洗えます。
その際、おしゃれ着用洗剤の中でもウールマークのついた洗剤を使うなど、洗剤にもより気をつけると良いですね。
手洗いする場合も、先ほどの洗濯機で洗う場合と同じくニットをたたんで洗います。綿や化繊に比べてウールやカシミヤはとてもデリケートです。他にはどんなことに気をつけたらいいでしょうか。
- 洗いからすすぎまで30度程度のぬるま湯を使う
- 優しく押し洗いをする
- 脱水は優しく水分を押し出してから、バスタオルで水分を取る。
洗いからすすぎまで30度程度のぬるま湯を使う
ウールやカシミヤは水温が高いと縮みやすいです。そして、急な温度変化でも縮んでしまうので、洗いからすすぎまで、同じ温度の水を使い、すばやく洗い終えるようにしましょう。
優しく押し洗いをする
洗い桶などにニットがしっかり浸るぬるま湯を張って、規定量の洗剤を入れます。洗い方は、動画のように優しく押し洗いが基本です。
汚れを押し出したら、きれいなぬるま湯を入れ、すすぎます。柔軟剤を入れる時はこのタイミングで入れ、さらにすすぎを2、3回繰り返します。
脱水は優しく水分を押し出してから、バスタオルで水分を取る
すすぎ終えたら、やさしく水を押し出してからバスタオルで包んで水分を取ります。脱水にかける場合はたたんだままの形でネットに入れ、洗濯機の一番やさしいコースで1分以内にとどめます。
干し方は
ニットは水分を良く吸うのでハンガーにかけると重さで伸びてしまったり、ハンガーの形が付いてしまったりと不恰好になってしまいます。必ず平干しをしましょう。
左の、四角の中に横線があるのが平干しのマークですが、右の図のように斜線が入ると日陰干しになります。この場合は日陰で平干しをしましょう。干す際も、洗濯表示をしっかりチェックしてくださいね。
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平干しするときは、このような平干しネットがあると便利ですよ!クッションやぬいぐるみを干すときにも使えます。
縮んでしまったら
洗って乾かした後に縮んでしまったと感じたら、スチームアイロンをかけてみましょう。その際は、ニットから少し浮かせて、アイロンをかけるというよりは蒸気を当てるようにします。アイロンにスチーム機能がない場合は、霧吹きをかけながらアイロンを浮かせて熱を当てます。
長持ちさせるポイント
保管はたたんでしまう
長期間ハンガーにかけておくと、伸縮性のあるニット生地が伸びてしまい形が付いてしまうので、保管はたたんでしまいます。虫食いの心配な動物繊維の場合は、防虫剤も一緒に入れておくといいでしょう。
1日着たら、干しましょう
特に冬のニットは、着るたび毎回洗うということはあまりないですよね。しかし、1日着たら1日以上休ませてあげましょう。厚みのあるハンガーにかけ、風通しの良いところに干します。
毛玉防止にブラッシングをしたり、においが気になる場合は消臭スプレーをかけるとさっぱりしていいですね。このお手入れは、洗うこともクリーニングに出すこともできないニットにも有効です。
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まとめ
- ニットは、糸や毛糸で編んだ生地のこと
- 素材にあった洗い方をしないと、縮んだりヨレてしまう
- ウールやカシミヤにはウールマークのついたおしゃれ着用洗剤を使う
- 丁寧に洗ったり、お手入れをすることでニットの形をキープし、長く着られる
ニットは洗濯機で洗えるものでも、干し方など気をつけることがありますね。少し手間はかかりますが、よれたり縮んだニットはカッコ悪いです。丁寧にお手入れをすれば、買った時のようなニットをキープできて、おしゃれが楽しくなりますね!