子育てをしていると、「自分の子育てって正しいのかな?」「子育てっていつまで続くんだろう」など色々と不安になることがありますよね。
「子育てに正解はない」とはよく言いますが、迷った時や困った時に指標や拠り所となるものがほしくなるのは当然のことです。
今回はそんな時に支えになる「子育てに目標を持つ」ということについてお話していきます!
目次
目標を持つことが大切な理由
目標ってどんなもの?
まず、一般的な「目標」の意味や定義について確認してみましょう。
目標と似た言葉に「目的」がありますが、目的は「なんのためにやるか」という最終的に得たいものや目指す姿・状態などを指しています。
それに対して目標は、目的を達成する上での目印や通過地点となるものです。目的をどう達成するかという手段や道筋を表すものになります。
つまり目的と目標は「ゴール」や「目指すもの」という点では似たような意味を持っていますが、「目的を達成するために目標を立てる」という関係性になります。
そして、目的が抽象的なものになりやすいのに比べ、目標はより具体的で分かりやすく行動しやすい内容になってきます。
目標:「レシピを検索してレパートリーを10種類増やす」「料理教室に通って基礎を学ぶ」など
このように一つの目的を達成するために目標が複数あることもありますよね。どのような目標を立てるかによって、目的を達成した時に得るものも変わってきます。
子育ての場合は「お子さん心身健やかに成長し自立すること」など誰もが概ね共通した目的を持っていると思います。ただし、そのための目標はそれぞれの家族観や教育観によって大きく変わってくることになります。
目標を持てば自分の軸ができる!!
勉強や仕事の目的を達成するために目標を設定することが大切なのは分かるけど、子育てに目標を持つ必要があるの?と思うかもしれません。
しかし私は子育てにこそ目標を持った方が良いと思っています。それは、目標を持つことは子育てをする上で自分の軸となるからです。
子育ては長期戦で、誰でも迷ったり戸惑うことはたくさんあります。特にお子さんが小さい時期は毎日をこなすことに精一杯で、終わりが見えずに疲れてしまうこともあるかと思います。
そのような時に、目指す目標があればブレずに子育てを続けられるのではないかと思います。
目標を言語化することで自分自身の成長につながる
これまで目標を考えたことがないという場合でも、お子さんにどのように成長してほしいかという像はなんとなく描いていると思います。
例えば「人に対する思いやりを大切にしてほしい」「自分の意見をしっかり言える子になってほしい」などです。そのような理想を漠然と描いているよりも、目標として自分の中で言語化することでしっかりと意識することができます。
そして言語化して意識することで、自分自身のお子さんへの関わり方にも変化が出てくると思います。お子さんに注意したり叱る時や、逆に褒めたりする時にも、目標を意識することでどのような声かけをすれば効果的なのかと考えて意図的に行動することに繋がります。
具体的には、生活態度を注意する時にもお子さんが「自律的な生活ができるようになる」ことを意識する時とただ怠けていることを感情的に叱る時では声の掛け方が違います。
「こうなることを目指すにはどんな風に声をかければ良いだろう」と考えて注意することで、よりお子さんにとって効果的な声かけや働きかけをすることができるようになります。それはお子さんの成長につながると同時に自分自身の成長でもあると言えます。
- 「目標」は最終的な目的を達成するために立てるもの
- 目標を立てて子育てをすることで自分の「軸」を持つことができる
- 漠然として「こうなってほしい」を目標として言語化することで意識が高まる
- 自分自身の子育ての成長にもつながる
子育ての目標はどうやって立てる?
子育ての目標って何だろう
子育ての目的や目標について考えてみたことがない場合、どんなことを目標にすれば良いか戸惑ってしまうかもしれません。
そもそも子育てをする目標は何でしょうか。子育てのゴール=目的は「お子さんが自立すること」にあると思います。その過程でどのように成長してどんな力を身につけてほしいのか、どのような社会生活を送ってほしいかによって目標は異なってきます。
例えば・・・
- 相手の立場に立って考えることができる
- 周りに流されず自分の意見を言うことができる
- 健康的なライフスタイルを習慣付ける
などです。
この時に注意しなければならないのは、自分の理想の押し付けにならないようにすることです。
親としてどのように成長してほしいかを描くことは大切です。しかし、当然ながら子供は自分の分身ではないので価値観や個性、能力も異なります。お子さんの価値観や個性を尊重し、その子に合った目標を立てることが大切です。
子供目線の目標を立てて、自分の行動を考える
目標を立てる時に注意したポイントは、あくまで「お子さんがどうなってほしいか」という子供主体の目標にすることです。
具体的には、「学校の準備が一人でできる」というのは子供目線の目標です。対して同じ行動を指していても、「学校の準備をさせる」というのは親(自分)目線の目標です。
同じような内容に感じるかもしれませんが、自分主体の目標にしてしまうと知らず識らずのうちに自分が目標を達成することに重点が置かれてしまいます。
「学校の準備を一人でさせる」という目標だと、それに対する具体的な行動は「20時までに準備をするように伝える」「きちんと準備をしているか寝る前に確認する」などになりがちです。これだと忘れ物はなくなりそうですが、自分自身が「準備をさせる」ということとお子さんの行動面のみに注目している働きかけです。
子育ての目標は「お子さんがどうなってほしいか」というところにあります。目標も子供主体に立てて、それに対して自分がどう行動していくかを考えるようにしましょう。
先ほどの「学校の準備が一人でできる」という目標だとすれば、それに対する自分の行動や働きかけは「時間割を一緒に確認して必要なものを考える」「忘れ物チェックリストを作って自分で確認できるようにする」などでしょうか。
自分主体の目標ではお子さんの「行動のみ」や「自分がどうだったか」に視点が置かれがちです。「お子さんがどうなってほしいか」という在りたい姿を描いて、子供主体の目標を立てることが大切になります。
上手な目標設定の方法
大きな目標、小さな目標に分けて段階的に目標を達成していく
一般的な「目標の立て方」を調べてみると、「具体的な数値で」「期限を設ける」などの考え方や方法が出てくると思います。これらは勉強や仕事の成績を上げる際には重要です。
しかし、子育ての場合はそこまで厳密な目標を立てる必要はありません。
何故なら子育てには数値で測れないことも多いですし、お子さんの反応や状況も予測できることばかりではないですよね。
まずは具体的な期限などは決めずに、年単位の中長期的な目標と数日単位の短期的な目標に分けて設定するのがオススメの方法です。
例えば、先ほどの「学校の準備が一人でできる」という目標で考えてみます。
このように大きな目標に向かって、小さな目標を段階的に立ててステップアップしていくと目標達成に向かいやすいです。小さな目標になるほど具体的な内容になっていくと、良い目標の立て方であると言えます。
問題点や課題から目標を設定する
どんな目標を立てたら良いか分からないという場合は、まずは漠然とでも良いのでお子さんに「どうなってほしいか」を考えてみましょう。
前述した通り、「どうなってほしいか」は自分の理想をお子さんに押し付けるのではなく、お子さんの個性や強みを尊重し「自立」を目指すという方向性で考えることが望ましいです。ですが、難しい場合は「他人に思いやりを持つ」「健康的な習慣を身に付ける」など一般的なことでも良いです。
「どうなってほしいか」をイメージすることができたら、そのイメージとお子さんの現在の状態を比べてみて、そこに近づくためにはどの部分を伸ばしていきたいのか、どの部分は課題なのかを考えてみます。その伸ばしたい部分や課題になる部分を目標にすると目標を立てやすいです。
目標を達成することよりもプロセスを大切にする
目標を立てたらそこに向かって突き進みたくなると思いますが、子育ての場合は目標を達成することよりもそこに至るまでのプロセスが大切です。
目標を達成するまでの過程で、お子さんはこれまでできなかったことができるようになったり、色々なことを学んだりしているはずです。
仮に目標を達成するまでに至らなかったとしても、出来るようになったことや努力したことに目を向けると、お子さんの成長が実感できると思います。
目標は柔軟に修正することも大切
また、一度立てた目標も定期的に評価してみることが必要です。
評価は、「この期間でここまでできるようになった」「こんなところが成長した」という部分を比較検討します。そして立てた目標が適切なのか、お子さんに合っているのかを見直してみます。
高すぎる目標を立てているといつまでも到達することができずネガティブな気持ちになりやすいので注意が必要です。逆に目標が低すぎる場合はお子さんの成長につながらない可能性があります。お子さんの現在の状態から考えて、時には柔軟に修正することも必要になります。
お子さんの能力や成長具合から目標が適切かどうかを評価する他、客観的にお子さんの成長した過程を見つめてみることで新たな気付きにつながることもあります。
まとめ
今回は子育てに目標を持つことについて、目標を持つとなぜ良いのか、目標の立て方などについてお話しました。
- 迷った時や困った時の自分の軸ができる
- 言語化することで意識が高まり、自分自身の成長にもつながる
- お子さんの成長を客観的に見ることができる
子育て中は精神的にも何かと大変なことが多いですよね。ですがお子さんに「どうなってほしいか」という目標を意識して、親子で成長できる子育てを目指して一緒に頑張りましょう!