ワイシャツのアイロンがけしっかりできてますか?
ワイシャツのアイロンがけについては、当サイトでは様々なやり方をご紹介してきました。ワイシャツの肩の部分って、広げ方が何となく難しく、きちんと伸ばしてかけないと逆にしわを作ってしまいます。今回は「ワイシャツの肩の部分(ヨーク)」の効果的なアイロンのかけ方についてご紹介していきます。
目次
アイロンをかける下準備
アイロンがけの前にやっておくと各段に楽になる準備が2つあります。
- ワイシャツを湿らせる。(霧吹きなどで軽く)
- 両手を使い、手でしわを伸ばす。
①については、アイロンのスチーム機能を使うこともできます。しかし、スチームの場合は水の分子が細かすぎて生地全体に水分子が行きわたらないので、霧吹きなどを使い、軽く湿らせることをおすすめします。
なぜかというと、ワイシャツのしわの主な原因は、繊維の分子同士の結合が壊れてしまうためです。ワイシャツの主な繊維である綿や麻は、洗濯などで水を大量に吸い込むと、繊維自体が膨らみ分子の結びつきはほどけてしまい、バラバラになります。その上で、バラバラになったまま分子同士が再び結合します。これがしわの原因となります。
しかし霧吹きで適度に水分を与えた上で熱を加えることにより、全体の分子の結合を一時的に緩め、アイロンの圧力により平らに分子を並べ直すことができます。これが「ワイシャツのしわが伸びた」状態です。
そして熱が冷めるとまた繊維の分子が平らに並べ直された状態で再結合します。これで完全にしわが伸びます。
繊維の素材の種類によってしわになりやすい、なりにくいものがあります。しわになりやすい素材は綿や麻、しわになりにくい素材はポリエステルなどの合成繊維です。
- 丈夫で水に濡れても乾きやすく
- 放熱性や放湿性に優れている
このような特徴があります。しかし、どちらもしわになりやすいというデメリットもあります。
一方合成繊維であるポリエステルはしわになりにくい性質がありますが、汗を吸いにくく通気性が悪いデメリットがあります。本当にアイロンがけをする暇が無い方は、通気性や吸水性は劣りますがポリエステル製や形状記憶の合成繊維でできたシャツを利用してみてもいいかもしれません。
②については、アイロンをかける前に両手を使い、なるべくここで細かいしわを取るようにします。しわが伸びていない状態でアイロンをかけてしまうと、生地が緩みしわが入りやすくなってしまいます。コツは、アイロンをかけている手とは逆の手で生地を引っ張りながらかけることです。
アイロンでワイシャツのシワを取って新品のように綺麗にする方法でもお話してますのでご覧ください。
アイロンがけの順番のコツ
アイロンがけのコツは、ずばり「順番」です。順番を意識するだけでもかなり違います。
最適な順番は、「えり」→「肩ヨーク」→「袖口(カフス)」→「そで」→「右前身ごろ(ボタンが付いている方)」→「後ろ身ごろ(背中側)」→「左前身ごろ(ボタン穴がついている方)」のように生地が厚い順にアイロンがけをしていくことです。
なぜかというと、後で他の部分をアイロンがけする時もシワになりにくいからです。
肩(ヨーク)のアイロンがけに移る前に
肩の部分を、アイロンをかける前に意識してほしい点が3つあります。
- 最初は襟からかける。
- アイロンを直線的に動かす。
- アイロンの先を少し浮かせて、後ろのお尻の部分に力を入れてかける。
まず、基本的にワイシャツのアイロンがけの順番は、生地が厚い順にかけていった方がいいので、まず襟からアイロンがけしていった方が後々しわになりにくいです。
次に「アイロンを直線的に動かす」ことです。ぐねぐねと曲線的に動かすと、ワイシャツの布が波立ち、余計にしわが増えてしまいます。
そして「先を浮かし、お尻に力を入れるようにかける」ことです。(力いっぱい入れなくて大丈夫です。)アイロンの先に力を入れてしまうと、先の方にしわが沢山寄ってしまい、余計にしわができます!
肩のアイロンのかけ方
アイロン台を使う方法
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- ワイシャツ
- アイロン
- アイロン台
- 霧吹き
- アイロンのり
- アイロン台の尖った部分に肩をひっかけて襟を立てておく。
- 肩の半分にアイロン全体を使ってアイロンをかける。
- 襟の付け根部分は、アイロンの先を使ってかける。
- 半分が終わったら、反対も同様にかける。
アイロン台の形を上手く利用して、ワイシャツの立体感を出すようにアイロンをかけていきます。
手順1 アイロン台の尖った部分に肩をひっかけて襟を立てておく。
アイロン台の形を上手く利用して、ワイシャツの立体感を出すようにアイロンをかけていきます。
手順2 肩の半分にアイロン全体を使ってアイロンをかける。
手順3 襟の付け根部分は、アイロンの先を使ってかける。
細かい部分は、アイロンの先だけを使ってかけていきます。先の方は、力を入れすぎないように気を付けましょう。
手順4半分が終わったら、反対も同様にかける。
細かい部分は、アイロンの先だけを使ってかけていきます。先の方は、力を入れすぎないように気を付けましょう。
アイロン台を使わないかけ方
アイロン台が無くても、机の材質やアイロンの温度などに気を付ければ普段使っている机でもアイロンをかけることは可能です。
- ワイシャツ
- アイロン
- 霧吹き
- アイロンのり
- 机
- バスタオル (または手ぬぐい2枚程度)
机の上でアイロンがけを行う際には、机の塗料が溶けて衣類に付いたり、あるいは衣類の化学繊維が机に貼りつく恐れがあるため十分注意して行ってください。
アイロンがけの適切な温度設定については、意外と複雑?ワイシャツのアイロンの温度と手順を徹底解説‼︎もご覧ください。
バスタオルは、机と衣類の間に敷いて断熱材としての役割をします。断熱材として使用するので、古くなったバスタオルか生地が厚めのものを選ぶと良いでしょう。
また、バスタオルよりも手ぬぐいがの方が表面がツルツルしてるので使いやすい事が多いです。一枚だけだと心配な方は2枚、3枚と重ねてやるといいでしょう。
このやり方の場合、肩の部分の10cmから15cm下くらいで後ろ身ごろを折り、折り目を机の下に落として襟を立てた状態でアイロンがけをします。
一気にアイロンをかけるのではなく、少しずつ分けてアイロンをかける
一気にかけると、しわが入って余計に時間がかかります。時間はかかるかもしれませんが、左半分、真ん中、右半分というように部分ごとに少しずつ分けてかけましょう。
仕上げにバスタオルを丸めて肩の部分に入れてかける
アイロン台以外の便利なアイテム
アイロンマット
引用:amazon
アイロンマットを広げるだけでアイロンがけがどこでもできます。ただし、アイロンマットだとアイロン台の尖った部分を利用するやり方ができないので、「アイロン台を使わないやり方」でかけることをおすすめします。
アイロンミトン
引用:amazon
アイロンミトンであれば、自分の手がアイロンマットみたいなものですので、アイロン台を使ってもなかなか取れない細かい部分のしわを取る時や、クローゼットにかけたままアイロンをかけることができます。
スチームアイロン
引用:amazon
スチームアイロンの利点は、なんと言ってもハンガーにかけたままアイロンがけができるという点です。普通のアイロンとは違い、強い蒸気を出してかけるので、一瞬でしわが伸びます。ただし、便利な反面デメリットもあります。
- 衣類のアイロン表示を必ず確認する。
衣類の種類や素材によっては、高熱や蒸気の大量の水分が苦手なものもあります。必ず表示を確認して、スチームアイロンを使っても良いか判断しましょう。 - 当て布が必要な素材かどうか確認する。
当て布が必要な素材は、ウール、シルク、カシミヤ、ポリエステル、レーヨン、黒い色の衣類、Tシャツなどのプリント部分、ニットなどふんわりした素材です。 - 素材によって温度を調節する。
綿や麻は180度から210度の高温、シルクは140度から160度の中温、合成繊維は80度から120度の低温、のように素材によって適温があります。 - 水垢が発生しやすいのでこまめに手入れをする。
スチームアイロンの中身は水垢が非常に発生しやすいので、こまめにお手入れしましょう。 - やけどしないように注意!
スチームアイロンは非常に高温ですし、蒸気も高温です。
まとめ
今回はワイシャツの肩の部分にフォーカスしたアイロンがけの仕方、アイロンをする前の下準備やコツ、アイロン台を使うやり方と使わないやり方、あったら便利なアイテムを紹介させていただきました。
ワイシャツの素材が綿か麻か、合成繊維かどうかでも対応が違うので、ワイシャツの表示タグを必ず確認しましょう。また、今回後半でご紹介した3つのアイテムは、使い方を誤らないようにしっかり説明書を確認しましょう。