綺麗に洗ったワイシャツ、せっかくアイロンをかけてピシッとかっこよく仕上げようとしたのに、あれ?アイロンをかけたら色が薄黄色になってる…もしかして焦げちゃった?なんて困ったこと、ありませんか?アイロンによる変色は、様々な原因があり、薄黄色程度ならまた綺麗に戻るかもしれません。
思いあたることがあれば、処分する前に適切な対処をして、元の綺麗なワイシャツを取り戻しましょう!
目次
アイロン焼けの考えられる原因
アイロンをかけたことで変色してしまった場合、次のような原因が考えられます。
- 皮脂汚れの残留
- 洗剤の残留
- アイロン面の汚れ
- 間違ったアイロンがけをしている
見えない皮脂や洗剤の残留が、アイロンの熱で変色するとは驚きですよね。アイロンのかけ面が汚れているというのも意外です。ワイシャツに原因があるか、アイロン自体やアイロン方法に原因があるかで対処法が変わってきます。考えられる原因から当たっていきましょう。
皮脂汚れの残留
皮脂が熱に反応
襟や袖の内側など、皮脂が繊維に残っているところにアイロンの熱を当てることで汚れが浮きでてきて、黄ばんだように変色してしまうんです。汚れているのは内側でも、アイロンの熱で皮脂が表面まで浮かび上がってしまいます。
黄ばんだワイシャツじゃ、いくら洗濯をしてアイロンをかけていても清潔感が出ませんね。
対処法
もし、皮脂汚れが原因の変色だと思ったら、こちらの方法を試してみてください。
- 食器用洗剤
- 粉の酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
- お湯
- 食器用洗剤を直接変色した部分に塗り、歯ブラシなどでなじませます。くれぐれも生地を傷めないように優しくトントンとこすりましょう。
- 洗面器などに30〜50度のお湯を用意し、その中に酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を溶かし、ワイシャツを1時間つけ置きします。
- よくすすいで、乾かします。
動画では、粉の漂白剤と洗濯洗剤も一緒に入れて漬け置きしています。その方が汚れがよく落ちそうですね。アイロンがけまで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
使用する洗剤ですが、皮脂は油なので、油汚れに強い食器用洗剤は適役です。食器用洗剤はどの家庭にもあるのですぐに対処できますね。
引用:モノタロウ商品ページ
酸素系漂白剤は液体のものもありますが、しっかりと漂白するのなら、粉の酸素系漂白剤の方が効果が高いです。酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムとしても売られており、100均でも手に入ります。
過炭酸ナトリウムは衣類や食器などの漂白はもちろん、洗濯槽や排水溝の頑固な汚れも落とす優れものです。地球にも手肌にも優しく、安心して使えますよ。水やぬるま湯では効果は発揮しませんので、必ず30〜50度のお湯を使いましょう。
ここで注意して欲しいのが、同じ漂白剤だからと、塩素系漂白剤を使うことです。まず、塩素系漂白剤でつけ置き洗いすると、余計に黄ばんでしまう恐れがあります。それに、ワイシャツの洗濯表示にこちらの絵表示があれば、塩素系漂白剤は使用できません。
酸素系漂白剤は使えるけど塩素系漂白剤は使えないというマークです。
ちなみに、こちらは酸素系塩素系ともに漂白剤の使用の禁止マークです。
生地を傷めてしまう恐れがあるので、洗濯表示は必ずチェックしましょう!
予防するには
予洗い
汚れを残さないためには、洗濯機で洗う前に予洗いして汚れを繊維に残さないことが大切です。
しつこい襟と袖の皮脂汚れを酵素の力で落とします。
液体糊のようにスポンジノズルがついているので、洗剤を直接塗ってそのままなじませることができます。塗ったらそのまま洗濯機で普通に洗えばいいので簡単です。もちろん、先程と同じく油汚れに強い食器用洗剤を使っても大丈夫です。
お湯で洗う
他には、洗濯する水の温度を調節できるのなら、水よりも40度程度のお湯を使った方が皮脂はよく落ちます。洗剤もよく溶け、洗浄効果が上がります。
お湯なら、お風呂の残り湯をそのまま使うと経済的ですよね。でも、残り湯には皮脂や汚れ、雑菌がたくさんいます。洗濯に使う場合は、洗いにだけ使用し、すすぎには新しい水かお湯を使用しましょう。
やはり洗濯でしっかりと汚れを落とすことが大切です。ワイシャツをキレイに保つ方法はこのほかにもたくさんあります。
洗剤の残留
あらゆる洗剤が熱に反応
- アルカリ性の洗濯洗剤
- 柔軟剤
- 塩素系漂白剤
- 糊剤
これらが繊維に残っていると、アイロンの熱で薄黄色く変色することがあります。また、襟や袖には生地をしっかりさせるため芯地が入っており、その糊剤がアイロンの熱で焼けて変色してしまうこともあります。
対処法
この場合も、粉の酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を使って漂白して落とします。
30〜50度のお湯に漂白剤を溶かし、1時間漬け置きをしてからよくすすぎます。
決まった量の洗剤を使いましょう
洗剤残りによるアイロン焼けを防ぐには、きちんと決まった量の洗剤を使うことです。汚れを落としたいからと多めの洗剤を入れると、洗剤が残り繊維も痛みますし、アイロン焼けの恐れもあるのです。
また、すすぎ一回でOKの洗剤も多くありますが、すすぎ残しが気になる場合は2回すすぐとよいでしょう。また、すすぎ1回の表記のないものは、すすぎは2回行いましょう。
アイロンのかけ面の焦げ
アイロンは、洗濯をした綺麗な衣類にかけるのだから、アイロンのかけ面が汚れてるなんて思わないですよね。でも、特に長年使い続けているアイロンは、焦げ付いているかもしれません。
焦げ付きの要因
- アイロン前のスプレー糊
- 洗剤残り
- 高温でのアイロンがけで溶けた繊維
こういったものが、アイロンをかけることで付着し、蓄積され、焦げて黒い汚れとなってしまうんです。
掃除方法
湿らせた布で拭き取る
アイロンは、使用後なら人肌程度まで冷めるのを待ちます。くれぐれもやけどをしないように気をつけてください。まずは湿らせた布で拭きましょう。水よりもお湯を使ったり、湿らせた布をかけてラップをかぶせてパックして10分ほど放置するのも、汚れがふやけて落ちやすくなります。
重曹ペーストでこする
それでも落ちなければ、重曹を使って焦げを落としてみましょう。酸性である焦げの炭素にアルカリ性の重曹で中和し、さらに重曹の研磨成分でこびりついた焦げをこすり落とします。
- 重曹を少量の水で溶かしてペースト状にしたものを、焦げた部分に乗せ10分ほど放置します。その後歯ブラシなどで優しくこすります。
- こすり落としたら、次の焦げの原因にならないよう、しっかりと濡れた布で拭き取りましょう。
アイロン面の拭き取りは、使用後の習慣にすれば、焦げ付きの心配がなくなります。その際も、十分に冷めてから行いましょう!
間違ったアイロン掛けをしていませんか?
高温すぎる
しわがよく伸びそうだからととりあえず高温でアイロンをかけていませんか?洗濯表示をよく見て、素材にあった温度設定でアイロンがけをしましょう。低温でかけるべき素材に、中温以上の熱を当ててしまうと繊維が溶けてしまい、衣類もアイロンも焦げてしまいます。
アイロンの設定温度は、低・中・高と三段階あります。洗濯表示を見てアイロンの温度を確認するか、素材によって使い分けましょう。
アイロンの中の黒点が増えるほどに温度の高さを表しています。
素材別の適温は大きく分けて
- 高温・・・麻素材
- 中温・・・綿、毛、絹素材
- 低温・・・化学繊維
です。綿と化学繊維などの混紡の生地の場合は、低温の方に合わせましょう。
同じ箇所にかけすぎ
基本的にアイロンは短時間でさっとかけましょう。なかなかシワが伸びないからとしつこく同じ箇所にかけるのもよくありません。シワを伸ばすには、スチームの設定があれば水を入れてスチームを、なければ霧吹きを使って生地を湿らせてからアイロンがけをすることでシワは伸びます。
また、手でよくシワを伸ばして引っ張りながらアイロンをかけるなど、簡単にしわを伸ばす方法もありますので試してみてください。
対処法
この場合の変色は本当に焦げてしまっていますよね。程度にもよりますが、目立たなくなる方法はあります。それは、先ほどのアイロンの焦げを取り除く時と同じで、アルカリ性の洗剤で中和させ焦げを落とします。
この場合は、重曹でもいいですが、より汚れを落とす酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を使用するといいでしょう。
まとめ
- アイロン焼けには種類がある
- 変色には粉の酸素系漂白剤が有効
- アイロンのかけ面の汚れに注意
- アイロンは短時間でさっとかける
アイロンをかけて変色すると、焦げた!とあせってしまいそうですが、それは皮脂や洗剤による変色かもしれません。もし本当に焦げてしまっても、少しの変色なら目立たなくなるかもしれません。慌てて新しく買いに行く前にコストをかけず簡単に綺麗になる方法を試してみませんか?