ビジネスシーンでも大活躍のスカート。頻繁に履くものだからこそ、生地の痛みが気になりますよね。特に、大切なスカートの生地がテカテカ光ってしまうと、本当に残念です。あなたもそんな経験はありませんか?
今回は、あなたの大切なスカートを守るために、「テカリ」を予防する方法と既にテカリが出てしまった場合にアイロンなどを使ってどう対処したら良いかをまとめてみました!
目次
テカリの原因
テカリが発生する原因は、大きく分けて2つあります。
- 着用した時に摩擦や体重がかかることによって、繊維の表面が削れたりつぶれてしまう事
- 間違ったアイロンのかけ方によって、繊維が溶けたり強い力で押されたりして、やはりつぶれてしまう事
普通、ウールの生地の表面は繊維が立ち上がっていて、ボコボコしているのが正常です。この状態ですと、光を受けた時に乱反射するのでそれほど光りません。ですが、繊維がつぶれて生地の表面がツルツルの状態になると、光を受けた時に強く反射してしまい、しっかり「テカった」スカートとなってしまうのです。
スカートやスラックスでも、体重がかって摩擦の多いお尻の部分は特にテカりやすくありませんか?
でも、テカってしまったら諦めるしかないなんて思わないでください!いろいろな方法を試してみる価値はあります。また、そもそもテカリが出ないようにするにはどんなことを心掛けたら良いのか、ポイントをご紹介しますね。
テカリを予防するには
テカリを予防する方法として一番大切なのは、着用したときの摩擦や圧着を最小限にするという事です。でも、毎日学校やお仕事で履くスカートですと、刺激を最小限にするというのは、なかなか難しいかもしれません。
そんな時に意識したいのは、「繊維が傷んだままにしない」という事です。濡れた状態や砂ぼこりがついたままお手入れしないで放置すると、生地を傷めてしまうことになります。
どのように生地をいたわってあげられるでしょうか?スカートを長持ちさせる方法をご紹介します。
洋服を休ませる
よく言われるように、靴は1日履いたら1~2日間隔を置いて履くと長持ちすると言われています。1日履いた靴は足から出た汗をたっぷり含んでいて、汗が乾ききっていない状態で履くと素材が劣化して靴が傷んでしまうからです。
スカートも同じで、1着を連続使用するのはスカートにとってかなりストレスとなります。ですから、出来るだけ替えのスカートを2~3着用意して、ローテーションしながら履くことをおすすめします。
生地をしっかり休ませることで、着用によって弱まった繊維が回復して、テカりにくい状態を保ちやすくなります。
こまめにブラッシングする
基本的なことですが、着た後に毎回軽くブラッシングしてあげることはとても大切です。
化学繊維のブラシは生地を傷めてしまう可能性があるので、動物の毛を使ったブラシがおすすめです。
スカートをハンガーに掛け体温や湿気が取れたら、布目に沿って軽くブラッシングしてあげましょう。生地が潰れてツルツルになる前に、表面の毛を立ちあげるだけでテカリを予防できます。
「あて布」を使ってアイロンがけをする
あなたは、普段のアイロンの際に「あて布」は使われていますか?
高温で圧をかけてアイロンをかけると、重みで繊維がつぶれたり生地によっては表面が溶けたりして、テカリの原因になってしまいます。
化学繊維でできた生地は、洗濯タグに表記されているアイロン温度を確認し、あて布をした上でそれよりも低い温度でアイロンをかけると良いでしょう。化学繊維が熱で柔らかくなって溶けたり潰れたりすると、水分を与えても元通りになりません。
どんな生地にあて布が必要でしょうか?
- ウール
- カシミヤ
- シルク
- ポリエステル
- レーヨン
- 濃い色の生地
- プリント加工されている部分
- ニットなどのふんわり仕上げたいもの
これらの素材はとてもデリケートで熱に弱いので、積極的にあて布を活用しましょう!
縫い目やポケットの淵など、生地が重なって厚くなっている部分は、アイロンの熱と重さの影響を受けやすいので、ギュッと押し付けないようにタオルなどを当てて注意深くアイロンをかけてください。
また、黒や紺などの濃い色の生地はテカリが目立ちやすく、白やライトグレーのような淡い色の生地はテカリが目立ちにくいという事も覚えておく良いですね。
あて布の選び方と生地の適正温度についてはこちら。
テカリが発生してしまったら!
どんなに気をつけていても、履く機会が多かったり、アクティブな動きが必要な環境だったりすると、スカートのテカリを完全に防ぐことはできないかもしれません。
でも、諦めないでください!
大切なスカートを少しでも長く履くために、これからご紹介する方法をぜひ試してみてください。きっと効果がありますよ。
洋服ブラシ
テカリの予防でもお伝えしましたが、ブラッシングはテカリが発生した後でも有効です。
スカートをハンガーに掛け、体温や湿気が取れたら布目に沿って優しくブラッシングしてあげましょう。潰れていた繊維が立ち上がり、軽いテカリならブラッシングするだけで目立たなくなります。
それでも改善されなければ、ブラッシングをした後に1cmほど浮かせながらアイロンのスチームをかけてあげましょう。その後、陰干しをしてしっかり乾かすことが大切です。繊維が立ってテカリが目立たなくなります。
メラミンスポンジ
メラミンスポンジで直すこともできます。メラミンスポンジとは、皆さんよくご存知の通り、水だけで汚れを落せる白いスポンジですね。100円ショップでも手に入ります。
乾いた状態のスポンジを同じ方向に何度か擦り、次は逆の方向に優しく擦りましょう。仕上げに軽くブラッシングして繊維を整えます。
スポンジで繊維の表面を少し傷つけることによって表面に凹凸が生まれ、光を強く反射しなくなるのでテカリが抑えられるという仕組みです。
力を入れすぎたり必要以上に擦ったりすると、繊維が傷みすぎてしまうので、布の状態を確認しながら優しく扱ってあげましょう。
それでも直らないテカリには
それでも直らない頑固なテカリには次の方法を試してみて下さい。
酢水
酢は繊維を膨らませる作用があると考えられていて、押し固められた繊維の表面をほぐして光の反射を拡散することによってテカリを和らげる効果を期待できます。
寿司酢などの糖分が入ったものは、雑菌が繁してしまう可能性があるので、穀物酢がおすすめです。酢の匂いは揮発して消えるので、安心してチャレンジできますね。
- お酢と水を1:2の割合で混ぜた酢水をスプレーボトルに入れ、テカリが気になる部分にふきかけ軽く湿らせる
- 当て布をして、低温で押し付けないように優しくアイロン掛け
- 湿気が残った状態で軽くブラッシングしてから陰干しする
これだけです。
スチームアイロン
スチームアイロンを使うこともできます。
特に羊毛の場合は、湿気を吸うと繊維の中の湿気を逃そうとして表面が開く特徴があります。そのように繊維の表面が立ち上がることによって、テカリが抑えられるというわけです。
- 「あて布」をして1cmほど浮かせながらスチームを当てる
(蒸気だけを当て、表面がしっとり温かくなる程度で大丈夫) - 繊維に湿気を含ませたら、軽くブラッシングして必ず陰干し
陰干しして湿気が取れると、繊維が元の膨らみを取り戻します。完全に乾くまで繊維を落ち着かせてあげましょう。
素材や状態にもよりますが、ある程度のテカリはアイロンのスチームで解決できます。
アンモニア水
スチームを試みても消えない頑固なテカリには、アンモニア水を試してみましょう。
アンモニア水には繊維膨張作用があるので、アイロンのスチームを当てたときよりも繊維が膨らみやすくなります。ツルツルに潰れた表面がモコモコになり光が乱反射するので、テカリが抑えられるという仕組みです。
- 水100mlに対し、アンモニア7~8mlを入れる
- テカリが気になる部分に希釈したアンモニア水を生地が湿るくらい吹きかける
- 当て布をし、軽くアイロンをのせる
(温度設定は低〜中で、スチームは使いません。少し浮かせるイメージでアイロンがけしてください。) - アンモニア臭がなくなったらOK
- ブラッシングをして陰干ししてしっかり乾かす
おしゃれ着洗いの洗剤で洗濯する
テカリの主な原因は、摩擦と圧着によって繊維が削れたりつぶれたりすることです。水洗いできる生地であれば、家で「おしゃれ着洗いの洗剤」を使って洗濯することができます。
洗濯することで、平らになった繊維がふんわりと立ちテカリが軽減します。
さらに、おしゃれ着洗い洗剤ならではのダメージケア成分が配合されている洗剤もあります。例えば「衣類用中性洗剤アクロン」など。
引用:ライオン公式HP
引用:ライオン公式HP
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、洗濯後はだいぶテカリが消えてます。
洗う前に必ず洗濯表示をチェックして、水洗いできる生地かどうか確認しましょう。洗濯表示の見分け方についてはこちら
テカリ修正スプレー
自宅で洗えない素材だけどクリーニングに出す時間は無い!という場合は、「テカリ修整スプレー」がおすすめです!
テカリが気になる部分にテカリ修正スプレーをふき掛け、優しくブラッシングします。乾くと寝ている毛が立ち上がり、テカリが目立ちにくくなります。
丸洗いするほどではない部分的なテカリを直したい時にも便利なアイテムですね。
スプレーするだけでこんなにテカリが消えますよ。
まとめ
- テカリの主な原因は、圧着と摩擦によって繊維がつぶれたり削れたりすること。
- 生地を休ませ、ブラッシングし、正しい方法でアイロン掛けをすることである程度予防できる。
- テカリが発生してしまっても、いろいろな方法で改善することができる。
少しテカって見えるかなと思ったら、丁寧に湿らせて優しくブラッシングし、繊維が立つようにケアしてあげましょう。
毎日のケアやアイロンがけをちょっと意識するだけで、お気に入りのスカートが見違えるように綺麗になります。