あなたはキッチンを、どのくらいの頻度で、どのあたりを掃除していますか?食品を扱うキッチンは思いがけないところに汚れがたまり、いつの間にか雑菌が繁殖して臭いの原因になっていることがあります。コンロや換気扇、冷蔵庫などはよくテレビなどにも特集が組まれています。
私も番組を観て思い立ち、掃除をするようになった箇所がいくつもあります。しかし先日、実はテレビにもあまり紹介されていなくて毎日は使わないけど、使うたびに汚れる・・・そんな大変なものを見つけてしまったのです。
それは食パンやお餅を美味しく食べるためにこんがり焼いてくれる、トースターです。食品をのせているその網をお手入れしたのはいつですか?パンくずやこげがこびり付いてしまった状態では焼き時間も長くなってしまいますし、何より衛生的とは言えませんよね。
でも、いざ掃除と言われると面倒臭くてついつい後回しにしてしまい、そのまま放置。一度やる気スイッチが入っても、どこもかしこも綺麗にしたくなり欲張りに手を付けて、その挙句中途半端に終わってしまう・・・私のよくあったパターンです。
今回はそんな掃除の苦手意識克服と、トースターのお掃除方法を紹介します。
目次
掃除の悩みと解消法
自分にプレッシャーをかけすぎない
掃除を始めるにあたって、あなたに大切なことをお伝えします。これは掃除が苦手だったころ、主人にかけてもらったうれしい言葉です。
『できることだけやればいいよ』
『無理しなくていいよ』
子供が生まれた頃、共働きで家事も育児もすべてこなそうと意気込んでいた私は、無意識のうちに自分にプレッシャーをかけていました。
朝は1番に目を覚まし、みんなの朝食を作ります。主人と私の出社と子供の通園を考え、時間との戦いです。朝から余裕がない私には使った食器を洗うのが精一杯で、シンクやコンロまで手が回りません。当然トースターも使ったままです。
仕事が終わって休む間もなく子供のお迎え、買い物をして家に帰ったら夕飯の支度が待っています。朝使って汚れたままのキッチンだとわかっていても、掃除は後回しにするほかありません。
休みの日にいざ掃除しようとすると、1週間で蓄積した汚れがびっちり・・・。ちゃちゃっと済ませて子供と遊んであげたいのに、想像以上に時間がかかってしまいゆっくりできないことも多々ありました。
一番手間をかけたいはずの育児に時間が割けず、イライラすることが増え、鏡の中の自分は眉間にしわが寄り、口角を上げてもなんだか怒っているようでした。そんな私を見かねて主人がかけてくれた言葉です。
なにも1から10まで自分で抱え込む必要はないのです。主人に手伝ってもらったり、お金はかかってしまいますがプロに任せることだってできます。
私はそれから考えを改め、時間を有効に使えるようになりました。
今日掃除する場所を決める
毎日使うキッチンですが、換気扇からシンク、冷蔵庫やオーブンまですべての掃除を1日で終わらせる必要はありません。
もちろん衛生面を考えればできるに越したことはありませんが、それはかなり難しいことです。ですから「今日はここを掃除するぞ」と決めて取り組むと、範囲も狭く集中力ももちますし何より時間がかかりすぎないので負担になりません。
私も主人に声をかけてもらうまでは、欲張りに1日で全部掃除しようとしていっぱいいっぱいになっていました。
ひとくくりに掃除と言っても、掃除する場所はキッチンだけではありませんよね。部屋やお風呂、お手洗いなど生活していると汚れは様々な場所で蓄積されていきます。無理せず少しずつコツコツと積み重ねが大切です。
おすすめは、一日一か所です。たとえば「今日は換気扇」「明日は冷蔵庫」「明後日はオーブン」といった具合です。シンクのように汚れがひどくなりやすい場所は夕食後など時間を決めてついでに掃除すると続けやすいですよ。
私もこの決め事をしてからは短時間で集中して掃除するようになって、中途半端にならないので達成感も得られますし、慣れてくると一か所一か所にかかる時間も短くなってきました。
掃除するタイミング
毎日使うもの
一回の調理と食事で一体どれくらいの調理器具を利用しているのでしょうか。我が家のとある日の朝食で見てみましょう。
- 白米
- 豆腐とわかめの味噌汁
- ベーコンと目玉焼き
- サラダ
- ヨーグルト
このメニューをもとに、どれにどんな調理器具を使っているのか書きだしていきます。
【白米】
シンク、炊飯器、茶碗、箸
【豆腐とわかめの味噌汁】
冷蔵庫、シンク、包丁、まな板、換気扇、コンロ、鍋、お玉、おわん、箸
【ベーコンと目玉焼き】
冷蔵庫、換気扇、コンロ、フライパン、フライ返し、お皿、箸
【サラダ】
冷蔵庫、シンク、お皿、箸
【ヨーグルト】
冷蔵庫、お皿、スプーン
書き出してみると想像以上にありましたね。重複しているものを省いても18点、こんなにたくさんの道具を使っています。食器やお鍋などシンクで洗うものは調理中の合間や食事後にきれいにできますが、冷蔵庫や換気扇などの大物はちょっと時間がかかりそうで後回しにしてしまいます。
そしてそのまま忘れてしまうことに・・・。毎日触れて使っているからこそ、しっかり日付を決めて掃除しましょう。
たまにしか使わないもの
毎日は使わないけれど、使った後のお手入れが面倒くさそうで後回しにしがちなものがあります。トースター、オーブン、ホットプレートなどです。これらは頻繁には使わないので傷みにくく長持ちしますが、使った後すぐに洗わないと存在を忘れ汚れたまま片づけてしまうことが多いのです。
かくいう私もその一人で、朝食時に食パンをトースターでこんがり焼いておいしく食べた後、時間がなくてそのまま職場に向かってしまい、掃除していないことを忘れてしまいました。幾日か経ってグラタンを焼こうとすると、トースターの受け皿にはあの日のパンくずが・・・。
ここで掃除できればいいのですが、その日も夕飯の支度に追われていたので気づかぬふりをしてグラタンを焼いてしまいました。チーズが溶け出して焼けていい香りが漂うのと裏腹に、落ちているパンくずはさらに焦げグラタン皿から零れ落ちたチーズもこびり付いていきます。
そんなことになっているとはつゆ知らずの私は、食後子供に遊んでとねだられてまたトースターをそのままにしてしまうのでした。時間が経つにつれ、ゆっくりと腐食していくトースターの中に、私はなかなか気づけませんでした・・・。
たまにしか使わないからこそ、忘れないうちに時間を作り、しっかりきれいにしてから片づけるようにしましょう。
トースターの掃除
汚れの原因
たまにしか使わない調理器具の中で頻度が高いトースターですが、汚れる原因としてパンくずやグラタンのチーズ以外にも挙げられます。調理するものは他に餅やお菓子(カントリーマアムなどは焼くとおいしさが増しますよ♪)などがありますが、これらから落ちたものも汚れる原因の一つです。
また、食品のくずをもとにして焦げやカビが発生したり、水分が多ければ金属部分が錆びたりします。錆びをそのまま放置すると、進行して内側が変色してしまいます。錆が間違って食品に付かないよう、なるべく早く取り除きましょう。
そして、なにより電化製品は水気にとても弱いです。湿ったままにしておくと、故障の原因にもなります。濡れてしまったら早めに水分をふき取りましょう。
特にトースターは焼くための電熱管が設置されています。これにもし、ひびが入ってしまったら破損してケガにつながります。
汚れの蓄積には人体にも調理器具にもメリットがありません。放置せずきれいにしてから片づけましょう。
掃除の手順
さて、トースターをきれいにしていきましょう。熱いとやけどをする恐れがあるので、コンセントを外してしっかり冷まします。
①乾いたごみを払い落とす
トースターの中の汚れは、焼けきっていて殆ど水気を持たない乾いたごみが多いので、手で払うだけでも簡単にゴミを落とせます。網と受け皿を外し、焦げかすやパンくずを生ごみへ。乾いているうちに捨ててしまえば、ゴミ箱の中のにおいも酷くなりにくいですよ。
②こびり付いた汚れ・錆び落とし
こびり付いた汚れや錆びなどは、キッチンペーパーを軽く濡らして擦るくらいでは取れません。セスキ炭酸ソーダや重曹を使って掃除することをお勧めします。力をかけなくても簡単に落ちますし、嫌な臭いも消してくれます。
③一番厄介な汚れ落とし
網や受け皿はなんと言っても直接食品が触れる部分です。汚れやにおいが少しでも残ってしまうと衛生的によくないですし、なによりおいしさが半減してしまいます。
この二つは、ふき取るよりも流しに持っていってつけ置き洗いをしたほうが簡単で効率よく汚れが落ちます。網は特に凸凹していて布やキッチンペーパーで拭うのは難しいです。つけ置きしてふやけたところを狙いましょう。
焦げや錆びを落とすコツ
一番簡単!ふやかす
網や受け皿のように取り外せる部品で水気に強いものは流しに水を溜めて、そこにしばらくつけ置きしてふやかします。1~2時間ほどでふやけてくるのでスポンジでこすり落としましょう。
水をぬるま湯に変えたり、重曹を少量溶かしたりすると更に落ちやすくなります。また、スポンジで落ちにくい隙間など、細かいところはブラシを使うとうまく擦れます。
汚れが落ちたら、ゆすいで水気をしっかり切って乾かします。この時に湿ったまま片づけると折角きれいにしたのにまた汚れてしまうので、しっかり乾かしましょう。
拭き上げに一工夫!重曹水(セスキ炭酸ソーダ水)を使う
トースターの中をのぞくとまわりには汚れがべっとり付いています。キッチンペーパーを濡らして拭いてみても、表面の汚れがうっすら取れるくらいで頑固に張り付いています。
食べ物が飛び散った跡や焦げ、錆びは根気よくこすってもにおいなどが残ってしまいます。それでは時間と体力がもったいないですよね。本当はふやかしたいところですが、水に沈めるわけにもいきません。
そんな時に役立つのが、重曹とセスキ炭酸ソーダです。どちらか一方が家にあるだけで、頑固な汚れをきれいさっぱり落とすことができます。
まずぬるま湯に重曹を落とし、キッチンペーパーや雑巾などにしみこませます。軽く絞ってなじませてから擦りつつ拭いてみるとみるみる汚れが落ちていきます。電熱管は力をかけすぎるとひびが入って割れてしまうので慎重に・・・。
一工夫するだけで簡単にきれいになるなら、時間をかけずに楽にやりたいですものね。汚れを落とした後に改めて重曹水をつけて絞り直し拭き上げをすると、においもしっかり取れてサッパリします。
- ぬるま湯100cc
- 重曹20g
※セスキ炭酸ソーダ水の場合も同じ分量
また、100均に行くとすでにできあがった重曹水なども売っているのでそれを活用すると作る手間が省けて楽チンですよ。
最終兵器!重曹ペースト(セスキ炭酸ソーダペースト)登場
ふやかしても、重曹水を使っても落ちない・・・。そんなときのおすすめは重曹ペーストです。簡単に言えば、重曹水の水分を少なくしたものですが、これがものすごく汚れが落ちるのです。
私がよく使う箇所は、網の隙間です。ふやかしても、目が細かいところはどうしても頑固汚れが残ってしまいます。ブラシを使っても落ちないじゃない!と思われたあなた。これで落ちるようになるので安心してください。
まず、ぬるま湯と重曹を用意します。それをしっかりこね混ぜてペースト状にします。重曹でそのまま擦ってもいいのですが、ペースト状の方が汚れに浸透しやすいので混ぜて使います。ブラシに適量取り、汚れの酷いところにしっかりと塗り込みます。
そして重要なのは乾燥させないことです。お肌の保湿や髪のカラーも乾燥しないようにパックしますよね。同じように、ペーストを塗ったところにラップをかけてパックし、2~3時間置きます。
こうすると、ただ擦るよりもしっかり重曹が浸透しとてもきれいに汚れを落とせるようになります。時間が経ったらラップを外し、重曹ごと汚れを洗い流します。この時、ブラシで少し擦ると更に落とし漏れなくきれいに仕上がります。
パックしている間は子供と遊んだり、テレビを観たり、好きなことに時間を使えます。もし朝このパックだけできれば、仕事から帰ったら洗い流すだけできれいになりますよ。
- 水20cc
- 重曹60g
※セスキ炭酸ソーダペーストの場合も同量
まとめ
- たまにしか使わないからこそ、きれいにしてから片付ける
- 乾いた汚れを落とす
- こびり付いた汚れはふやかして落とす
- 頑固汚れは重曹水で落とす
- 頑固汚れへの最終手段には重曹ペースト
水だけの掃除より、重曹を少し水に混ぜて使ったほうが汚れも簡単に落ちてにおいもとれるなんて驚きですよね。
今回は重曹を使用しましたが、セスキ炭酸ソーダも同じように汚れを落としやすくしてくれます。自宅にあるものを使ってみてください。重曹は特に、ドラッグストアやスーパーにも売っているので手に入りやすいですよ。
掃除の後に網は水割りのお酢にくぐらせて、受け皿にはアルミホイルを敷いておくと汚れ防止になり、お手入れが楽チンになります。
汚れは時間が経てばたつほど落ちにくくなり、カビや錆びを発生させにおいのもとになってしまいます。早いうちに掃除して、トースターを安全で衛生的に使いましょう。
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