吸湿性と通気性に優れている綿(コットン)100%でできている服は、身に着けるととても気持ちが良いですよね。肌ざわりが好きでよく着られている方も多いのではないでしょうか。
特に毎日の仕事に必要なワイシャツは綿素材の丈夫なものが長持ちして便利なのですが、その半面縮みやすくシワになりやすいというデメリットも・・・。
今回はそんなシワになりやすい綿100%のワイシャツを、綺麗にパリッと仕上げるアイロンがけの方法をご紹介します!
目次
アイロンがけを楽にする工夫3つ
洗濯ネットを使う
ワイシャツをたたんで入れたときにぴったりになるくらいの大きさのネットを使います。ひとつのネットに1着ずつ入れて洗濯することで、他の洗濯物と絡むこともなく生地が変に伸びてしまうことも防げますよ。
色物のシャツは初めて洗う時は色落ちする可能性があるので、他の物と分けるか目立たないところに洗剤をつけて5分ほど置き、白い布をあてて色が移らないか確認すると安心です。
脱水時間は短めに
脱水する時はかなり強い力で引っ張られるので、脱水時間が長いとシワができるだけでなく生地が傷む原因にもなります。
シワのつきやすいものは30秒~1分ほどで取り出しておきましょう。水分を含んでいれば干したときに水の重みでシワが伸びるので、「脱水が少し足りないかな?」というくらいで干すと良いですよ。
干す時はシワを伸ばして!
干す時にできるだけシワを伸ばしておくと、アイロンがけの手間がかなり違ってきます!
袖や身ごろなど細かいところから大きなところまで、あらゆるところを引っ張ったり手ではさんでぽんぽんと叩いたりしてシワを伸ばしておきましょう。
ハンガーにかけた後、袖口から腕を入れると袖の部分が広がって早く乾きますよ。ボタンは一番上だけを留めて風通しを良くしておきます。
アイロンをかける時のポイント3つ
ワイシャツに限らず、アイロンをかけるときの基本のポイントをご紹介します。お気に入りのお洋服をアイロンがけでもっと綺麗に着られるように、ぜひポイントをおさえてくださいね!
大事!タグの取扱絵表示の確認
アイロンがけをする前に、必ずタグに書いてある取扱絵表示を確認しましょう。
マーク | 温度設定 | マークの意味 |
高温 | 底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる | |
中温 | 底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる | |
低温 | 底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる | |
アイロンがけNG | アイロン仕上げ禁止 |
綿100%の衣類は「設定温度は『中温』または『高温』、あて布(衣類に直接アイロンが触れないように衣類の上に重ねておく布のこと)は必要ない」という場合が多いですが、染色や加工方法などで違ってきますので必ず確認してください。
あて布が必要な衣類にあて布をしないでアイロンがけをしてしまうと、生地にテカリが出てしまい本来の質感を失ってしまう恐れがあります。
そうならないよう、必ずタグ表示を確認しましょう!
霧吹き・糊スプレーを使う
綿や麻などの生地についてしまった頑固なシワを伸ばすには、生地を一旦湿らせるのが大切です。霧吹きでお水をかけても良いですし、シワ取りスプレーを使うとよりシワが取れやすくなります。
引用:Amazon
また、生地を湿らせたあとに糊スプレーをかけてアイロンがけすると、仕上がりがパリッとなりますのでワイシャツにおすすめですよ。
引用:Amazon
糊スプレーで表面をコーティングしてあげることで、着ている時に付く汚れも防ぎやすくなります。
アイロンがけの基本
先の尖っているアイロン台を使う場合は、アイロンを持つ手と反対側に尖っている方が来るようにすると使いやすいです。
また、アイロンを動かすときは必ず真っすぐ直線的に動かします。ジグザグに動かすとシワになりやすいので注意してください。
広い部分をアイロンがけする時にアイロンの先端に力を入れると、尖った部分にシワが寄ってしまうので力を入れ過ぎないようにしましょう。
まず手でシワを伸ばし、アイロンを動かすときは反対の手でなるべく遠くの場所の生地を引っ張りながら動かすと、シワが伸びやすく火傷もしにくいのでおすすめです。
ワイシャツのアイロンがけ手順
基本は細かい部分をかけてから、広く大きい部分をかけていきます。この動画がとてもわかりやすく参考になりますので、ぜひご覧ください。
この順番でアイロンをかけていくと、かけおわった場所が自分の体に触れないので新たなシワができにくいんです。
また、綿100%のワイシャツをアイロンがけする時は、スチームではなく必ずドライモードでかけてください。スチームは水の粒が小さすぎて生地の繊維を通り抜けてしまったり、早く乾きすぎてしまいシワがきちんと伸ばせません。
アイロンを当てる部分ごとに霧吹きや糊スプレーで生地を湿らせて、ドライモードでしっかりシワを伸ばしていくのが綿100%のワイシャツを綺麗に仕上げるコツですよ!
襟
ジャケットを着ていても見える場所なので丁寧にシワを伸ばしていきましょう。
襟は生地が厚いので裏表両側からかけます。まず裏側(ワイシャツの内側が見える面)からかけていきます。
手でシワを伸ばし生地を引っ張りながら、左右から中央に向かってかけるのがコツですよ。端から端まで一気にかけてしまうとシワが寄ってしまいやすいので気を付けてくださいね。
裏側が終わったらひっくり返して表側も同じようにかけていきます。
肩まわり
アイロン台の尖った部分を使ってかけていきます。四角い台を使われている方は角を上手く使ってかけてみてくださいね。
尖った部分にワイシャツを着せるようにして肩を引っ掛け、襟を立てます。肩の部分を綺麗に手で伸ばしたらアイロンをかけていきます。
アイロン台が細くて両肩がかけられない場合は片側ずつ肩を引っ掛けて、同じように手で伸ばしてからアイロンをかけてくださいね。
袖口
手元は意外と見られているものです。袖口も丁寧にかけていきましょう。
袖口は襟と似ています。動画では片側からのみ当てていますが、生地が厚いので裏表両側から当てるとより綺麗に仕上がります。
まず裏側からかけ、ひっくり返して表側をかけます。手でシワを伸ばし生地を引っ張りながら、左右から中央に向かってかけるのがコツです。
袖
袖口が終わったら袖全体をかけていきます。生地が薄いので、タック(袖口の折り目)が見える面からかけるだけで十分綺麗になりますよ。
まず袖下の縫い目を基準に綺麗に整え手でシワを伸ばします。タックの細かい部分はアイロンの尖っているところを使って折り目をつけます。
タックを整えたらそのまま袖の下半分を通って肩に向かってかけます。袖ぐり(肩との縫い目の部分)をかけたら今度は袖やま(袖の上半分)を通って袖口まで戻ってくれば完了です。
身ごろ
手前側から右前身ごろをアイロン台にかけ、終わったらそのまま奥に送って後身ごろ、また奥に送って左前身ごろとかけていくと、かけ終わった部分が体に触れないのでおすすめです。どの部分もまず手でシワを伸ばすのが大事ですよ。
右前身ごろは男性用であればボタンが付いていますね。ボタン周りは丁寧にアイロンの尖っている部分をボタンの間に入れてかけるか、ボタン部分だけ裏側からかけてしまってもOKです。ボタン周りをかけたら、生地を綺麗に整えて全体にアイロンをかけます。
後身ごろはタックがなければそのまま全体にアイロンをかければOKです。中心にタックがある場合は、その部分を先に綺麗に手で整え折り目をつけておきましょう。
左前身ごろにはポケットが付いていることが多いかと思います。ポケットは膨らみを意識しながらかけると綺麗に仕上がりますよ。下から上へ、外から中へかけていきます。
ボタンホールの部分と全体を、生地を引っ張りながらアイロンがけすれば完成です。
アイロンがけが終わったら
アイロンがけが終わったら、必ずハンガーにかけるか床に平置きして熱をとってください。熱いうちにたたんでしまうと、たたみジワがつきやすくなってしまうので要注意です。
冷ました後は綺麗にたたんでしまうか、ハンガーにかけたまま収納します。たたむ場合はボタンはできれば全部、面倒であればせめて第一ボタンと第三ボタンは留めてからたたむと綺麗にたためます。
ハンガーにかけっぱなしにする場合は、細いハンガーを使っていると肩にシワができてしまうことがあるので、肩に幅のあるハンガーを使用すると綺麗な状態を保てますよ。
普段気を付けられること
綿100%のワイシャツにシワがつかないように、普段気を付けられることがいくつかあります。
そもそもなぜ、綿100%の生地はシワがつきやすいのでしょうか?それは綿が「中が空洞状態で水を含みやすく、水を含むと繊維の分子が離れやすい」という性質を持っているからです。
つまり、汗や湿気などで水を含むと繊維の分子が離れ、私たちがそれを着たまま動くことで離れた分子が色んな形になり、それがそのまま乾くと私たちの目にはシワとなって映るのです。
これらをふまえて普段気を付けられることは、
- 着ている間、意識して袖口や裾を引っ張る
- 出先でシワがついたら、濡らしたハンカチなどで叩いて伸ばす
- ホテルなどで浴槽にお湯を張ったりシャワーを浴びた後の浴室に吊るしておくと、次の日シワが目立たない
というようなことです。ただ、3つ目の浴室に吊るす方法は生乾き特有の臭いがついてしまうことがあるので、消臭剤があると尚良いですね。
おすすめ!綿100%の形態安定シャツ
シワができにくく作られている形態安定シャツ。基本的にはポリエステルが配合されているのですが、実は綿100%の形態安定シャツがあるってご存じでしたか?
様々なメーカーさんから発売されていますので、いくつかご紹介します。
日清紡「ノンケア」
引用:Amazon
洋服の青山「ノンアイロンマックス」
引用:洋服の青山
ユニクロ「スーパーノンアイロンシャツ」
引用:ユニクロ
どうにもアイロンがけが面倒!そもそもハンガーにかけたまま使うスチームアイロンしか持ってない!というあなたには、シワのできにくい綿100%の形態安定シャツがおすすめですよ。
まとめ
- アイロンがけの前のシワ減らしが大事
- ワイシャツのアイロンがけには順番がある
- アイロンを当てる前に「手アイロン」で整える
- 生地を湿らす → ドライモードでしっかりシワ伸ばし!
- アイロンがけが終わったらハンガーにかけて熱をとる
シワがつきやすく伸ばしにくい綿100%のワイシャツですが、ポイントをおさえてアイロンがけすれば綺麗にパリッと仕上げられますよ!コツは「手アイロン」で生地を整えること、そして人目につきやすい襟や袖口のシワを丁寧に伸ばすことです。
普段アイロンがけをあまりしないと初めはとっつきにくいかもしれませんが、慣れればスキマ時間にちゃちゃっとできちゃいます。綺麗なワイシャツに袖を通せば、1日の始まりの気分もパリッとして気持ち良いですよ!