スカートのアイロンがけは、裏地のあるなしで手間がかなり違ってきます。裏地が付いているスカートは滑らかな履き心地が気持ち良いのですが、スカートに座りジワや折りジワがついてしまった時のアイロンがけはちょっと面倒と思うかもしれません。
何を隠そう、私もスカートの裏地をアイロンがけするのを面倒に思っていました。しなくても良いのではないかと思った時期もあるのです。
そんな私が心を入れ替えて「スカートの裏地のアイロンがけ」の大切さを理解し、綺麗にアイロンがけできるようになった方法をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
目次
スカートの裏地についての基礎知識
スカートには裏地がついているものと、ついていないものがあります。
暑い季節用のスカートは洗いやすさを優先して裏地がないものが多いですが、秋冬物は裏地つきが多いです。秋冬物は裏地つきが多い理由を調べてみました。
スカートの裏地はなぜ必要?
長いスカートや秋冬物のスカートに裏地をつける理由には何があるのでしょう?
- 透けるのを防止
- 表面の生地との滑りを良くしてシルエットを整え保つため
- 滑りが良ければ着ている人は動きやすいから
- すべすべした裏地があると着脱時の「着たり脱いだり」という動きも滑らかになる
- 吸湿性のある裏地が、表地の変色・汚れ・汗がスカートの表地に染み出すなどの影響を防ぐため
- 吸湿性と同時に放湿性も保つため
- 静電気を防ぐため
裏地は着る人に快適さをもたらし、着用時のシルエットを整える土台なんです。
存在感が地味な「スカートの裏地」には、このような大切な機能がたくさんあるのですね。
裏地には着心地の良し悪しだけではなく、衣服全体の外観にも大きく影響してきますから、どんなに高級な素材が表地に使われていたとしても「裏地」に問題があるとデザインも着心地も台無しになるかもしれないのです。
スカートの裏地はどうやって縫いつけられているの?
ではその大切な機能を持つスカートの裏地はどのように仕立てられているのでしょう?
デザインにもよりますが、ウエスト部分に縫い込まれているのが一般的です。プリーツスカートの裏地は両脇にスリットを入れて足捌きを良くしますし、フレアースカートで足捌きをよくしたい場合は裏地の裾幅を狭め、ボリュームのあるシルエットが欲しいときには裏地をたっぷり使った仕立てにします。
どれも共通なのは裏地が表地の長さより短くなっていることです。
このような感じで表より裏が少し短くなっています。
スカートの裏地素材の種類
洋服の裏地にはいろいろな周囲がありますが、スカートの裏地に使われるのはキュプラかポリエステルが多いでしょう。
キュプラの原料は綿実、綿花の中にある実の表面に生えている産毛のことです。吸湿性や放湿性があり、静電気が起きにくく柔らかい性質の素材です。上質なスーツやスカートの裏地に使われています。
ポリエステルは、石油を原料とした丈夫な合成繊維です。シワになりにくい性質で、摩擦にも強いですが、吸湿性はそこそこで、むれやすく静電気が起こりやすいです。多くの制服や手ごろな価格帯の既製服に多く使われています。
そのほか、レーヨン・絹・アセテートなども使われていますが、これら全ては熱に弱い特徴がありますので覚えておきましょう。
スカートの裏地にアイロンをかけるポイントと手順
春夏用のスカートは洗いやすさや涼しさが優先されますが、それ以外のスカートには裏地がついていることは多いでしょう。綺麗に着こなすためにアイロンがけするポイントと手順を挙げてみます。
スカートのシルエットに気をつけたアイロンがけをしよう
スカートの裏地を綺麗にアイロンがけすると、履き心地が快適になるだけでなくスカートの形を整えより美しく着こなすことができます。
手順とポイントに従って、綺麗な着こなしをしてみてください。
- スカートを裏返して裏地の素材を確認し、アイロンを素材に合う温度に設定する
- シワが深く入っていたり、ヨレが目立つ時は、細かい霧の出る霧吹きやスリームで湿らせておく
- スカートをアイロン台にはかせる
- 裏地にアイロンをかける。最初にウエスト部分のダーツをアイロンがけし、その後、裾方向にアイロンがけをする
- 裏地を強く引っ張りすぎて、スカートの裾から裏地が見えてしまわないように注意する
- 裏地を整えたらスカートを表地が出るように返し、全体のスリエットを整えながら表地にアイロンをかける
- 必要に応じて、当て布を使用する
衣類スチーマーを使用しても
しっかりとプレスをするには普通のアイロンの方が使い勝手が良いかもしれませんが、衣類スチーマーを使用してもスカートの裏地はアイロンがけできます。表地がベロアのように起毛した素材の場合はスチーマーを使う方が簡単かもしれません。
衣類用スチーマーを使う場合はスカートを裏返してハンガーに吊るし、スチーマーを裏地に当てながらシワを伸ばしましょう。スチーマーの温度に気をつけて使用してください。
まとめ
- スカートの裏地はスカートの土台
- 土台が整っていればシルエットが美しくなり、履き心地も良くなる
- 裏地は熱に弱い素材が多いので、アイロンがけするときは必ず裏地の素材をチェックする
- スカートの表地がベロアなど起毛素材の場合、スチーマを使うと簡単にアイロンがけできる
近年大流行の柔らかいシルエットのロングスカート、プリーツスカート、長くたっぷり布を使ったフレアスカート、チュールスカートは、とても女性らしいアイテムでしょう。
丈の長い落ち感のあるスカートの裏地がシワひとつなくぴしっと整えられていると、歩いても布が足にまとわりつかずに快適な着心地になりますね。
身体の動きに合わせて裾のラインが綺麗にスウィングする楽しさは、ロングスカートでこそ味わえます。動きを止めて立ち止まると裏地が表の生地に寄り添って美しい落ち感を作って、綺麗なシルエットにつながるのです。
ほんの少しの心遣いでお洒落は簡単にランクアップできます。見えないところを整えた上級者ならではの着こなしを是非楽しんでみてください!