きびなごという魚をご存知ですか?関東より北の地域ではなかなか馴染みのない魚ですが、九州を中心に南日本、西日本では大変ポピュラーなこのきびなご。小さな魚なので、頭ごと、骨ごと調理できるので手間もかからず作り置きにはぴったりの魚です。
今回はそんなきびなごを使った簡単で美味しい作り置きレシピを紹介します。
目次
きびなごについて
きびなごの魚としての分類は顎口上綱硬骨魚綱ニシン、骨鰾下区ニシン上目ニシン目ニシン科ウルメイワシ亜科キビナゴ属の魚です。簡単に言ってしまえばニシンの仲間ということになります。
漢字で書くと吉備奈仔、吉備女子、黍魚子、黍女子と書きます。
インド洋と西太平洋の熱帯域と亜熱帯域に広く生息していて、日本では茨城県の鹿島灘から九州南岸の太平洋側と島根県の隠岐諸島から九州北岸と西岸の日本海側、その他にも宮古島や沖縄諸島に生息しています。
きびなごの旬は産卵期で卵を抱えている3月から5月の早春から初夏とにかけてと、脂がのって美味しくなる12月から2月にかけての冬となっています。
九州方面で豊富に獲れる事から九州では名物になってます。
地域によって呼び名が違うきびなご
きびなごは九州やよく食べられている地域ではそれぞれ違う名称で愛されているようです。
- 長崎県の壱岐や平戸市度島・・・・・チョウジョ、カナギ
- 三重県尾鷲市尾鷲市・・・・・・・・キミイワシ
- 静岡県沼津市や西伊豆・・・・・・・ハゴイワシ
その他の地域でもキッポ、キビナ、キミナゴ、コオナゴ、ジャムシキビナゴ、シュレン、スルル、スルルガ、ハマゴ、ヤス、リンチン 等とその地域ごとに違う名前で呼ばれています。
きびなごの栄養
DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)
きびなごは小型の魚ながらも他の青魚よりもDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)の含有量に優れていて、生活習慣病の予防や、脳の活性化する働きがあると言われていますが。
カルシウム
きびなごは料理によっては頭や骨ごと食べられる事からカルシウムをたくさん摂取する事ができます。骨を丈夫にするだけでなく、精神の安定にも一役かってくれます。
ビタミンD
きびなごにはビタミンDもたくさん含まれていて、カルシウムと一緒に摂取する事で体にカルシウムを吸収する助けをしてくれます。
きびなごの選び方
きびなごを選ぶ時には、まずはきびなごの特徴でもある銀白色の帯がハッキリと輝いている物を選びます。その他にも、目が黒く澄んでいて体にハリがある物が新鮮とされています。
また、時々腹の部分に赤みを帯びているきびなごもありますが、その赤みを帯びている部分は餌であるアミが未消化で残っている時で、そこから鮮度が落ちやすいので注意が必要です。
きびなごの基本的な下処理方法
- きびなごは濃いめの塩水や塩で揉み洗いします。
- きびなごのウロコは手で取れるので指でしごいて落としてください。
- きびなごは身が柔らかいので調理の時に開く時には手開きをする事をお勧めします。
きびなごを使ったレシピ
きびなごを使った料理ではお刺身やお寿司、一夜干しが有名ですが、ひと手前加えて作り置きにピッタリのレシピもたくさんあるのでいくつかご紹介します。
きびなごの唐揚げ
この投稿をInstagramで見る
- きびなご・・・・・・・1パック
- 粗塩・・・・・・・・・適量
- 薄力粉・・・・・・・・適量
- 揚げ油・・・・・・・・適量
作り方
- きびなごをボールに入れて粗塩を一掴み(大さじ1弱)をまぶして2〜3分置きます。
- きびなごについた粗塩を水で洗い流します。
- ザルに上げてキッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。
- 薄力粉をまぶして高温の揚げ油でカラリとなるまで揚げます。
- きびなごがまだ熱いうちに塩をお好みでふったら出来上がりです。
きびなごのオイルサーディン風
この投稿をInstagramで見る
- きびなご・・・・・・・250g
- 水・・・・・・・・・・800cc
- 天然塩(海の塩)・・・・60g
- オリーブオイル・・・・適量
- ローリエ・・・・・・・1枚
- にんにくスライス・・・1かけ分
- 鷹の爪・・・・・・・・1本分
作り方
- よく洗ったきびなごをボールに入れて水に塩を溶いたものを入れて2時間程置きます。
- きびなごをザルにあげて水気を切り、キッチンペーパーできびなごについた水をよく拭き取ります。
- 耐熱容器にきびなごを並べたらにんにくのスライスと鷹の爪をのせます。
- オリーブオイルをきびなごがひたひたになるくらい注ぎ入れます。
- スノコを下に敷いた圧力鍋で40分加圧します。
- 40分経ったら火を止めて圧がさがれば出来上がりです。
フライパンで作るきびなごの南蛮漬け
この投稿をInstagramで見る
- きびなご・・・・・・・1〜2パック
- サラダ油・・・・・・・きびなごが浸るくらい
- 小麦粉or片栗粉・・・・適量
- たまねぎ・・・・・・・1個
- にんじん・・・・・・・1/2本
- 鷹の爪・・・・・・・・2本
- 水・・・・・・・・・・1カップ
- 醤油・・・・・・・・・1/2カップ
- 酢・・・・・・・・・・1/2カップ
- みりん・・・・・・・・大さじ3
- 砂糖・・・・・・・・・大さじ3
作り方
- きびなごは塩水でよく洗ってキッチンペーパーで水気を拭き取っておきます。
- にんじんと玉ねぎを千切りにして漬け込んで保存する容器に入れておきます。
- 鷹の爪、水、醤油、酢、みりん、砂糖を鍋に入れて煮溶かします。
- 水を切っておいたきびなごに小麦粉or片栗粉をまぶします。
- 深めのフライパンにサラダ油を熱してきびなごを中温くらいでゆっくりと揚げて油をきっておきます。
- 野菜を入れた容器に熱々のままのきびなごと3で作った調味液を野菜ときびなごがひたひたになるくらい入れます。
- 半日からひと晩漬け込んだら出来上がりです。
まとめ
- きびなごはニシンの仲間の魚で年に2回旬があり、九州では名物となっている。
- きびなごの選び方は銀白色の帯がハッキリと輝いていて身にハリがあるものを選ぶと良い。
- きびなごの下処理は塩水でよく洗いウロコを指で落としておくと良い。
きびなごは頭も骨も丸ごと食べられるので栄養満点なので積極的に食べていきたい魚の一つです。また、小型の魚で下処理も簡単で調理もしやすいので時間も手間もかからず作り置きができるので、是非きびなごを作り置きレシピに加えてみてください。